2004 Fiscal Year Annual Research Report
耐放射線性を向上した圧電トランスを使った高圧電源の製作とその耐放射線性の測定
Project/Area Number |
16540233
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井森 正敏 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (70011690)
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Keywords | 圧電トランス / 高圧電源 / 出力電圧の安定化 / フィードバック / チャネル実装密度 / 耐放射線性 |
Research Abstract |
CERNに建設されているLarge Hadron Collider (LHC)を使った国際共同実験ATLASに参加する日本グループは、ATLAS測定器を構成する検出器Thin Gap Chamber (TGC)を担当する。本研究の目的は、かねてから研究を続けている圧電トランスを使った高圧電源がTGCの高圧電源に適合することを実証することである。 TGCの高圧電源として使用するためには、体積あたりのチャネル数が重要であり、高いチャネル密度を実現するためには高圧電源モジュールの小型化が必須である。この小型化には高い実装技術が必要とされるため、TGCの高圧電源に求められるチャネル密度の実現については不透明な部分があったが、19インチラックの高さ2Uのクレートに60チャネルの高圧電源モジュールを組み込むことに成功した。高さ2Uのクレートに60チャネルの高圧電源モジュールを格納したこの高圧電源システムを2台製作した。 この高圧電源システムをコバルト60によりガンマ線に照射し、またスイス国PSI研究所において陽子線に照射することにより、この電源の耐放射線性(Radiation Hardness)を測定した。この結果、この高圧電源がCERNの定める耐放射線性(Radiation Hardness)の規格を満たしていることが実証された。この高圧電源システムをCERNにおいて試用した。この結果、この高圧電源がTGCの高圧電源に求められる機能を実現し、実際に測定器に組み込む際に求められる各種の条件を満たしていることが確かめられた
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Research Products
(1 results)