2005 Fiscal Year Annual Research Report
柏崎刈羽原子炉からのニュートリノを用いた混合角θ_<e3>の測定実験の最適化
Project/Area Number |
16540239
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田村 詔生 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00025462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 健夫 新潟大学, 自然科学系, 助手 (00323999)
住吉 孝行 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (30154628)
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Keywords | 原子炉ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 液体シンチレータ / 高速フラッシュADC回路 / 低雑音光電子増倍管 / GEANT4シミュレーション / Gdによる熱電子の吸収 |
Research Abstract |
本年度(〜平成18年3月31日)の実施概要 ○検出器用アクリルの耐液体シンチレータ特性の調査が行われ,アクリルの候補が特定された。液体シンチレータの長期安定性のテストが行われつつある。〔田村〕 ○高速FADCによる読み出し回路の開発: 前年度の概念設計に基づき,500MHz,8bitの高速AD変換を行う汎用プロトタイプ回路が完成した。回路に関しては,直線性,ノイズ等に関するテストが行われた。次のKASKA仕様プロトタイプではノイズの低減することが望ましいが,概ね仕様を満足することが示された。また,この回路中のFPGAにおけるディジタル積分が,十分な速さで実現される事が示された。〔田村が責任を持って進め,川崎が補佐〕 ○検出システムの改善を考慮したシミュレーション ・これまでなかった熱中性子のGdによる吸収及びその結果としてのγ線放射のプロセスの開発・実装・テストが,GEANT4の開発グループとも協力しつつ行われた。現在プロトタイプ検出器のデータとの比較をしつつ最終調整中であり,完成すれば標準的なライブラリーとして公開される予定である。 ・KASKA実験のプロトタイプ及びフルスケール検出器のシミュレーター及びイベント発生プログラムの実装が行われ,プロトタイプ検出器での測定結果を利用しながら,種々の物理量での最終調整が行われつつある。〔田村・川崎〕 ○大口径光電子増倍管(PMT)についての検討 最初予定していた8インチPMTの代わりに,回路等の経費削減を図るために,10インチPMTが使用できるかについて測定・検討を行った。基本性能は十分であり,ガラスからの放射線に関しては,メーカとの話で実験用には低バックグラウンド用の炉を新規に設置することで解決できるとの結論を得た。〔主として住吉〕
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