2004 Fiscal Year Annual Research Report
電子蓄積リングからの高エネルギー電子ビームの選択的な取出しメカニズムの研究
Project/Area Number |
16540245
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白井 敏之 京都大学, 化学研究所, 助手 (50252507)
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Keywords | 電子ビーム / ストレッチャー / ビーム取り出し / 加速器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、京都大学化学研究所に設置されている300MeV電子リングKSRをもちいて、パルスストレッチャーリングと高周波電場によるビームキッカーおよび、その高周波の変調技術を組み合わせて、1秒当たり1個の電子から、10^3、10^6、10^9電子/秒というような任意のビームレートで、蓄積リングから連続的に高エネルギー電子を取り出す技術を開発するものである。 平成16年度には、研究の最初のステップとして、これまでリングの電磁場の影響のみが考慮されてきたビームの取り出しシミュレーションに、残留ガスとの散乱の影響をとりこみ、電子ビーム同士の散乱の効果も考慮した計算をおこなった。同時に、ビームを蓄積して、ビームに摂動をかけない状態で、取り出しのセパラトリックスを形成し、取り出しチャンネルをひらいて、どの程度の電子が取出されるか定量的な測定をおこなった。 この結果は、1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japanでも報告しているが、取り出しのセパラトリックスを形成し、取り出しチャンネルをひらくだけで、10^9個の電子を蓄積時に、10^4電子/秒というレートで電子ビームが取出された。シミュレーションでも、これまでの単粒子シミュレーションに加えて、残留ガスとの散乱の影響を考慮すると、この実験データが説明できることがわかった。 また、次年度へむけた実験の準備として、電子ビームに対して、制御された摂動を加えて取り出しをおこなうために、高精度高周波発振器と周波数、強度位相などの各種変調器をもちいて、高周波電場を印加するシステムの開発を進めている。
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Research Products
(1 results)