2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540246
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
巽 敏隆 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40155099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 智幸 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (50318391)
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Keywords | K中間子凝縮 / 高エネルギー重イオン衝突 / コンパクト星 / マグネター / クォーク物質 / 磁性 / 一時相転移の混合相 / クーロン遮蔽 |
Research Abstract |
本年度の成果として、(1)低密度でのクォーク物質の磁性、(2)クォーク非閉じ込め相転移における混合相、(3)高エネルギー重イオン衝突実験におけるK中間子凝縮の可能性、(4)原子核パスタ相でのクーロン遮蔽効果などについて進展があった。 (1)については、原子核密度の数倍程度の比較的低密度のクォーク物質では、カイラル対称性の回復と関連して興味ある磁性(DCDW)が発現する。これは一種のスピン密度波状態であり、Overhauserの機構と類似して、フェルミ面のネスティングによる多体効果によって生じる。このときDCDWの発現により系のカイラル対称性の回復密度が従来の場合に比較してより高密度になる。成果は国際会議で発表され、論文は現在投稿中である。 (2)についてはクォークーハドロン二相からなる混合相の問題に潜在する微妙な取り扱い、不明な概念を整理し、エネルギー的、力学的安定性を数値的に調べる基礎が完成した。現在この結果に基づき数値計算を実行している。 (3)高エネルギー重イオン衝突実験では高密度状態が形成され、核子以外にもK中間子やハイペロンのようなストレンジネス量子数をもった粒子が混在してくることが期待される。我々はK中間子とラムダ粒子-核子空孔対との結合を考えることにより、後者の集団的励起モードとK+の対生成により数倍の核密度で核物質が不安定になることを見つけた。論文は現在投稿中である。 (4)については、密度および電荷が非一様なパスタ相でのクーロン相互作用の効果について、これまでの研究で行われてきた種々の近似と厳密な計算結果と比較することによってその特徴を明らかにした。結果は国際会議で発表され、論文は現在投稿中である。
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Research Products
(6 results)