2004 Fiscal Year Annual Research Report
自然な大統一理論の構築とその予言と超弦理論からの導出
Project/Area Number |
16540247
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前川 展祐 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40273429)
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Keywords | 大統一理論 / ニュートリノ / 超対称性 / ホリゾンダル対称性 / 異常U(1)対称性 / FCNC |
Research Abstract |
発表された2つの論文の内容は以下のとおり。 1.何故、ニュートリノセクターの混合角は、クォークセクターよりも大きいのか、という疑問に対する一つの答えを提示した。具体的にいえばE6大統一理論では、かなり、自然な仮定の下で、レプトンセクターの混合角がクォークセクターの混合角よりもおおきくなることを示した。と同時に、何故、アップクォークセクターの質量の階層性がダウンセクターよりも強いか、という質問に対する答えにもなっている。 さらに、ホリゾンタル対称性を導入すると、その同じ構造が、超対称性フレーバー問題を解く上で重要な役割を果たしていることがわかる。ニュートリノの大混合角の発見のために、ホリゾンタル対称性によって超対称性フレーバー問題を解くという方向に困難が生じていたのであるが、その困難を、大混合角を実現する構造そのものが重要な役割を果たして解くことができる、ということは、E6大統一理論における興味深い事実の一つと考える。 2.クォーク、レプトンセクターにホリゾンタル対称性を導入すれば、E6大統一理論において、様々なことがうまく説明できるが、それを大統一群を破るヒッグズセクターに導入する可能性を吟味した。このことは、E6とホリゾンタル対称性であるSU(2)やSU(3)を余次元を導入してE8に統一しようと考える際には、どうしても考えておく必要がある。そして、そのことは、可能であることを具体的な様々模型を提示しながら示した。残念ながら、超対称性フレーバー問題を解く、という観点からは、十分満足な模型が得られたわけではないが、超対称性フレーバー問題を解く機構は他にもあるので、これは、これで、可能性があると考えている。
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Research Products
(2 results)