2006 Fiscal Year Annual Research Report
自然な大統一理論の構築とその予言と超弦理論からの導出
Project/Area Number |
16540247
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前川 展祐 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (40273429)
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Keywords | 超対称性 / 大統一理論 / 小さい階層性問題 / B中間子 / レプトンフレーバーの破れ / 世代対称性 / 自発的なCPの破れ / バリオン数 |
Research Abstract |
発表論文の要旨は、次のとおり。 標準模型のヒッグズの質量に対するLEP実験からの制限を超対称性標準模型のヒッグズにそのまま適用すると、ストップの質量を大きくする必要があり、そのために、ヒッグズの質量パラメーターに対する微調整を行わないと電弱スケールが説明できないという問題がある。その問題に対して、超対称性標準模型には2つのヒッグズ場が存在していることを考慮すると、標準模型からの制限を直接適用するのはよくない、という可能性が存在していることを指摘し、その場合、軽いヒッグズセクターを予言することを示した。そこで予言された軽い荷電ヒッグズは、一見、b→sγからの制限から否定されているように見えるが、微調整を必要としないような自然なヒッグズや超対称性のパラメーターを採用すれば、自然と、相殺しうることを示し、b→sγが制限になりえないことを確かめた。 まだ、publishされてはいないが、E6×世代対称性模型において、レプトンフレーバーの破れが大きく出うることを指摘した論文を発表した。その他のまだ未発表の仕事としては、E6×世代対称性模型においてレプトンフレーバーの破れに加え、B中間子の崩壊におけるCPの破れでどのような予言になるか、研究した。また、CP対称性を自発的に破ることで、CKM行列を再現しつつ、超対称性CP問題が解決されることを示した。また、異常U(1)とE6理論において、宇宙におけるバリオン数とダークマターが同じくらいの量になることが説明できるシナリオが存在し、定量的にも実現で来うることを示した。上記で議論した微調整問題の解において、b->sγ過程において、振幅の相殺が必要になったが、その場合、b->s11では、相殺せず、大きく出うると考え、計算を行ったが、残念ながら、相殺が起こらない寄与は小さく、それほど大きくはならなかった。 2、"A Solution for Little Hierarchy Problem and b--> s gamma" with S.-G.Kim, A.Matsuzaki, K.Sakurai, A.I.Sanda, T.Yoshikawa Phys.Rev. D74 (2006) 115016.
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Research Products
(1 results)