2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540249
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松柳 研一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70025451)
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Keywords | 超変形核 / 高スピン状態 / 不安定核 / 集団励起 / 変形共存 / 非軸対称変形 / Hartree-Fock法 / 核構造 |
Research Abstract |
1)中性子ドリップ線近傍のMg同位体におけるソフトな振動モードの発現機構 変形した不安定核における新しい集団モードの発現可能性とその発現メカニズムを調べるために、「原子核の変形」・「対相関」・「連続状態への励起」を考慮に入れた準粒子RPA法を用いて、中性子ドリップ線近傍のMg36-Mg40における低励起振動モードの性質を分析した。共鳴状態や弱束縛1粒子状態の波動関数が空間的に大きく広がっているため遷移確率の極めて大きい低励起モードが現れること、Mg40においてはフェルミ面付近の多数の中性子ペアが振動するソフトな0+振動モードが現れること、等々、興味ある結果が得られた。 2)大振幅集団運動の慣性質量に対する対相関場のtime-odd項の寄与 オブレート変形とプロレート変形の間の多体トンネル現象の簡単なモデル(multi-O(4)model)にAdiabatic Self-consistent Collective Coordinate(SCC)法を適用し、四重極対相関場の運動量依存(time-odd)項が大振幅集団運動の慣性質量に重要な寄与をもたらすことを示した。 3)混合基底RPA法を用いた超変形核の8重極型ソフトモードの研究 実空間座標表示によるSkyrme-Hartree-Fock計算で得られた平均場を基底として完全にセルフコンシステントなRPA計算を系統的に遂行し、S32からTi44に至るN=Z核、および、中性子過剰SulfurアイソトープS36,S48,S50の超変形状態の上に、様々な型の負パリティ・ソフトモードが現れることを示した。この仕事は、エネルギー上限のtruncation不要な(particleを3次元座標表示、holeを一粒子固有状態で表現する)混合表示self-consistent RPA法に基づく世界初の現実的計算である。
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Research Products
(6 results)