2006 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場をもつ回転中性子星の平衡形状及び突発的エネルギー解放過程
Project/Area Number |
16540256
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小嶌 康史 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (10192577)
|
Keywords | 中性子星 / 相対論 / 天体プラズマ / MHD |
Research Abstract |
相対論的な星で起こる突発(バースト)的現象では、強い磁場と回転が複雑に絡みあっていると考えられる。何らかの原因で突然に解放されたエネルギーが周りの磁気圏を激しくゆらし、プラズマのエネルギーに転換され、最終的に放射に至ると考えられる。本研究では、相対論的な星の外部での大局的な電磁場の構造を明らかにし、粒子の運動エネルギーへの転化過程と放射機構を理論的に明らかにすることを目的としている。前年度に引続き、軸対称性および二流体近似の仮定のもとに、プラズマの運動方程式とマックスウェル方程式を同時に時間発展の形式で解く計算コード開発を進めた。従来の手法では、磁場の大きさが電場より常に大きいと仮定されているのに対し、我々の手法では一般的には電場が磁場より大きい場合もあることが数値計算で示せた。今年度はその結果をいくつかの国内外の研究会で発表した。また、現在論文にまとめている。さらに、計算コードの改良を進め、パルサー磁気圏モデルを数値的に形成し、そこで起こる物理過程を解明している。 その他、相対論的な星に関しての研究成果を得た。ある種の中性子星から、表面温度、重力赤方偏移、キロヘルツ程度の時間的に変動する現象(QPO)が観測されている。これらの観測からの情報をもとに、中性子星の質量と半径が取り得る範囲を調べ、内部の状態方程式にどのような制限が付け加わるかを論じた。これは海外の数人の研究者との共同研究によるもので、その成果を今年度公表した。(発表論文)
|
Research Products
(1 results)