2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540257
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中山 信太郎 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70116846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 賢一 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (90274191)
山県 民穂 甲南大学, 理工学部, 教授 (50068144)
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Keywords | 原子核のクラスター構造 / 3核子クラスター / クラスター分子構造 / 2フェルミ粒子系 |
Research Abstract |
質量数A=6の原子核(^6He,^6Li,^6Be)において2個の3核子クラスター(^3H,^3He)分子共鳴構造を残留核から崩壊する荷電粒子を測定して調べた。これらの原子核は3核子クラスターが陽子・中性子と同じアイソスピンを持つため、2核子系と類似関係が成り立つ。しかし、2核子系の場合は基底状態として^3Sが存在するだけであるが、A=6の原子核ではRGM理論から2フェルミ粒子系としてさまざまな励起状態が予言されている。 ^6He,^6Li,^6Beは大阪大学核物理研究センターのリングサイクロトロンで加速された450MeV ^3Heと455MeV ^7Liビームを用いて^6Li(^7Li,^7Be)^6He,^7Li(^3He,^4He)^6Li,^6Li(^3He,t)^6Be反応で励起された。反応粒子は最前方の0°で測定された。励起された原子核からの崩壊荷電粒子は8個のSi検出器(厚さ500μm)を用いて角度相関を測定し、共鳴状態の角運動量を調べた。荷電粒子の粒子弁別は30-cm TOF法でなされた。この実験結果から2個の3核子クラスターがLS結合した状態として^1P(T=0)と^3P(T=1)状態が存在することがわかった。前者は^6Liだけに存在し、後者は3つの原子核に共通に観測され荷電類似状態として矛盾しない結果である。^6Liにおける共鳴状態の励起エネルギーと幅は^1P(T=0):Ex=18MeV,Γ=5MeV;^3P(T=1):Ex=21MeV,Γ=9MeVであった。この測定では崩壊粒子を測定しているため3核子クラスターに対して非束縛状態しか測定できず、また遷移角運動量のマッチングからP状態しか特定できなかった。F状態の励起された兆候はあるものの、統計的には精度が不十分である。結果については現在投稿中である。 今後、2個のフェルミ粒子からなる量子系について非束縛状態だけでなく束縛状態を含めた探索を進めていく予定である。
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Research Products
(5 results)