2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540260
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
安田 修 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (50183116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南方 久和 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00112475)
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Keywords | ニュートリノ振動 / フレーバー混合 / ニュートリノ質量 / CP非保存 / パラメーター縮退 / 原子炉ニュートリノ / 長基線ニュートリノ実験 / KASKA実験 |
Research Abstract |
原子炉ニュートリノによるθ_<13>の測定では、測定器を原子炉の近くとニュートリノ振動長(約2km)程度離れた箇所に1台ずつ置くことにより実験の系統誤差を相殺させてθ_<13>の感度を向上することが出来ることが、全イベント数による解析(レート解析)による以前の研究代表者らの研究で示されていた。今年度の研究では、エネルギースペクトルによる解析(スペクトル解析)で結論がどう変わるかを議論した。その結果、測定器固有の系統誤差のうち、エネルギーに依存するものσ_<db>が、エネルギーに依存しない系統誤差σ_<dB>に比べて非常に小さくない限り、スペクトル解析の結論はレート解析の結論とほぼ同じになることがわかった。この場合、θ_<13>の感度を最適化する原子炉-測定器間の2つの距離は2kmと0kmとなり、sin^22θ_<13>の感度の最適値は2.8σ_<dB>となる。一方、測定器固有の系統誤差のエネルギーに依存する部分が非常に小さい場合には、統計を無限大にした極限で、最適化する2つの距離は10kmと8kmとなり、感度の最適値ほ3.8σ_<db>となる。もっとも後者の場合、スペクトル解析において10kmもの距離で統計誤差が無視出来るためには、柏崎・刈羽原発の実験でも10kton・yrの測定が最低限必要となり、どれだけ現実的かどうかは検討を要する。一方、活動銀河核等からの高エネルギーニュートリノのフレーバーの比は、新しい物理を探る可能性として近年注目されている。ほとんどの場合、地球で観測されるν_e,ν_μ、ν_τのフラックスは等しくなることが知られているが、強い磁場がニュートリノ源に存在してかつニュートリノに比較的大きな磁気モーメントがある場合には、ν_eとそれ以外のフラックスに有意な差が出る状況が存在することがわかった。しかし、その導出には色々な仮定があり、現在それらがもっともらしいかどうかの吟味を行っている所である。
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Research Products
(15 results)