2004 Fiscal Year Annual Research Report
広域空気シャワー観測用の低コスト学校アレイ装置の開発
Project/Area Number |
16540263
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
寺本 吉輝 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50163928)
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Keywords | 宇宙線検出器 / 高抵抗板検出器 |
Research Abstract |
宇宙線検出に使うための安価な検出器としてガス封入型の高抵抗板検出器(レジスティブ・プレート・チェンバー)のテストチェンバーを製作して長期テストを始めた.高抵抗板検出器はストリーマモードとアバランチモードの2つの動作モードで働く事が知られている.我々はまずストリーマモードのチェンバーを数台作った.そのうち1台は長期にわたって特性の劣化がほとんどみられていない.このチェンバーは今後も2年以上にわたってテストを続けガス封入型チェンバーがストリーマモードで長期使用に耐えられるかを調べる.なお,作ったチェンバーのうちすぐにだめになったものも多い.これはガス漏れのためと考えられる.ガス漏れのないチェンバーを安定して作る方策を検討している.また,アバランチモードのガス封入型チェンバーも作り長期テストを行っている.現在までのところ3ヶ月程度の寿命であるが,この寿命を決めている原因についてはまだ解っていない.なお,アバランチモードのチェンバーを動作させたのは我々が日本では最初である.アバランチモードは信号が小さいため動作させるのが難しいが,信号が小さいと言うことは同時にガスや電極の劣化が少ないと予想され,封入型で長い寿命が期待できる.しかし今までのテストでは必ずしもこのようになっていない.理由として1つ考えられるのは,我々はアバランチモードの動作ではガスとしてテトラフルオロエタンを95%程度使い,イソブタンを4%程度,六フッ化硫黄を1%程度使っている.しかし最近イソブタンが4%程度のガスは劣化が早いという報告がされているので,イソブタン濃度を増加することを計画している. 読み出し回路の低コスト化については,機能の簡素化と安価なコンポーネントの使用で実現した,機能の簡素化としては,4台の検出器の相対信号時間測定機能を省く.また,4台の検出器からの信号波高はマルチプレクスして1個の波高測定回路で測定できるようにして,コストダウンした.さらに宇宙線の到来時間を精度よく測定するGPS時計のための受信機を安価なものに置き換えた.
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Research Products
(1 results)