2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540268
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
吉田 健二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90260984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 忠久 神奈川大学, 工学部, 助教授 (90271361)
鳥居 祥二 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (90167536)
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Keywords | 宇宙線 / 宇宙物理 / 宇宙線一次電子 / 大気ガンマ線 / 宇宙線加速源 |
Research Abstract |
本研究では、南極周回気球実験PPB-BETSにより取得したデータを解析し、宇宙線一次電子のエネルギースペクトルを導出した。まず、機上のトリガーにより取得したイベントに対し、詳細な画像解析を行って電子イベントの選別を行った(前年度報告済み)。入射電子のエネルギーは、各シンチレータのパルスハイトによるシャワー遷移曲線からシャワー最大発達点での粒子数を求め、入射電子エネルギーとシャワー最大発達点での粒子数がほぼ比例関係にあることを用いて決定した。このエネルギー決定方法の妥当性は、加速器ビーム実験とシミュレーション計算により確認を行っている。こうして選別を行いエネルギーを決定した電子イベントから100GeV-数100GeV領域で一次電子エネルギースペクトルを導出した。ここで有効幾何学的因子は、実際の観測および解析に用いた条件でモンテカルロ・シミュレーションを行い決定している。導出した一次電子の100GeV付近のフラックスはこれまでのBETS等の観測結果と一致しており、100GeV-数100GeV領域のフラックスも100GeV以上の領域で観測データを出しているECC、ATICの結果と一致している。また、100GeV以上の高エネルギーのガンマ線が後方散乱を引き起こしてトリガーされることを利用し、電子と同時に大気ガンマ線のデータ解析も行った。ガンマ線は電子と同様の電磁シャワーを引き起すため、その識別は検出器トップでの飛跡の有無で行った。ガンマ線検出効率(有効幾何学的因子)についてはモンテカルロ・シミュレーションにより評価し、100GeV-1TeV領域の大気ガンマ線エネルギースペクトルを導出することに成功した。
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Research Products
(6 results)