2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540270
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Research Institution | Kobe Tokiwa Junior College |
Principal Investigator |
田中 正義 神戸常盤短期大学, 衛生技術科, 教授 (70071397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 守 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (00030031)
山県 民穂 甲南大学, 理工学部, 教授 (50068144)
中山 信太郎 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70116846)
與曽井 優 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80183995)
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Keywords | スピン交換断面積 / 光ポンピング / ビームフォイル分光法 / Tilting foil法 / ECRイオン源 / SEPIS型偏極イオン源 / 原子偏極 / 核偏極 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は、低エネルギーでの^3He^+イオンとルビジューム原子とのスピン交換断面積が増大することを実証するために、スピン交換型偏極^3Heイオン源(SEPIS)のベンチテスト装置を作り、その装置の基本的な性能を調べることである。 ベンチテスト装置本体は、2.45GHzのECRイオン源部、分析双極電磁石、電気四重極レンズ、ルビジューム炉及びソレノイドコイル、静電分析器、偏極度測定用ポーラリメータ、偏極保持用ヘルムホルツコイル(2基)、ステアリング磁石、排気系、ファラデーカップ、ビームスリット、及び光学系から成っている。光学系はルビジューム光ポンピング系、及び蒸気厚・原子偏極度測定用モニターレーザ系から成っている。偏極度測定用ポーラリメータにはビームフォイル分光法を用いるもので、核偏極した^3He^+イオンを炭素薄膜(〜4μg/cm^2)を通過した後の3^3P_J状態から2^3S_1状態への389nmの脱励起光の円偏光度を測定するものである。 装置の基本的な性能に関しては、特に2.45GHz ECRイオン源の性能と、ポーラリメータの性能を調べた。ECRイオン源の性能では、^3Heガスを用いて、マイクロ波依存性、引き出し電圧依存性、ガス流量依存性を測定した。その結果、最適化されたECRイオン源の性能として300μA以上の^3He^+イオンが引き出された。このビーム強度は、SEPISの実証のためには十分である。 次に、ポーラリメータの性能測定に関しては、測定はPCを用いて行い、円偏光度測定用のλ/4波長板はGPIB駆動、光電子増倍管による光子測定にはCAMACを用いた。今回は核偏極測定を行わず、原子偏極をTilting Foil法で生成しその原子偏極度を測定した。測定系の信頼性を確認するために、このときTilting角は-40,-30,0,+30,+40度の5点で行った。ビームフォイル法の信頼性を調べるために、^3He^+イオンだけでなく^4He^+イオンに対しても行った。測定の結果、核偏極度を測定する場合、その偏極度は0.5%以上の精度で測定が可能であることが分かった。 以上のことから我々は、低エネルギーでのスピン交換断面積の入射エネルギー依存性が十分な精度で測定可能であることが分かった。
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