2004 Fiscal Year Annual Research Report
非対称有限交差角衝突における複合的ビーム・ビーム効果の実験的研究
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16540271
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
家入 孝夫 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (90100809)
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Keywords | ビーム・ビーム効果 / ダイナミック効果 / 電子雲 |
Research Abstract |
KEKBのルミノシティは世界最高の性能を維持している。すでに設計ルミノシティの1.5倍の値になっている。この世界最高性能の加速器を精密に診断することは、加速器科学やKEKの将来計画としての加速器SuperKEKBに有益な情報を与える。 (1)「えぐれ」現象の解明 KEKBの運転で、ルミノシティが衝突点での水平軌道に非常に敏感で、ある軌道になるとルミノシティが急激に低下する現象がある。この現象は運転仲間では「えぐれ」と呼ばれている。ビームはリボン形状しているので、水平軌道にそれほど敏感ではないはずである。各種の実験事実を考察した結果、この「えぐれ」は有限交差角衝突と陽電子ビームに付着する電子雲が重要な役割を演じていることがわかった。ここにビーム・ビーム効果と電子雲の関わりを実験的に明確に示した。 (2)ダイナミック効果の測定 KEKBのベータトロンチューンは半整数共鳴に極近傍で運転されているので、いわゆるダイナミック効果が顕著に現れると予想されている。しかし、今までにダイナミック効果についての実験報告はほとんどなかった。ビーム・ビームキックから衝突点での水平方向サイズ、ビーム・ビームチューンシフトから水平方向エミッタンスを推定した。この結果、ダイナミック効果の存在を実験的に示すことができた。 (3)Fast-Ion効果における新しいイオン生成機構 電子ビームのあるバンチのチューンスペクトルに奇妙な「コブ」が観測された。詳しく観測した結果、この「コブ」は衝突に伴って生成したイオンであることが推定できた。このイオンはいわゆるFast-Ionの振る舞いを示した。従来Fast-Ion効果は電子ビームと残留ガスとの衝突によって発生すると言われていたが、この実験結果はビーム・ビーム衝突が基になってイオンが生成され増殖されることを示した。
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Research Products
(1 results)