2004 Fiscal Year Annual Research Report
行列模型による超対称ゲージ理論の相転移の研究-可積分系を用いた新手法-
Project/Area Number |
16540273
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
溝口 俊弥 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (00222323)
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Keywords | 超弦理論 / ゲージ理論 / 行列模型 |
Research Abstract |
(1)行列模型を用いて超対称ゲージ理論の有効ポテンシャルを求める「ダイグラーフ-バッファ(Dijkgraaf-Vafa)の理論」を用いて、4次元N=1,U(N)ゲージ場にファンダメンタル表現の物質場が結合した理論の重力補正を計算した。行列模型の円環図形からの寄与を、リーマン面のプライム形式を用いて表す簡明な公式を導いた。また、すべてのR^2項の総和はc=1共形的場の理論のフェルミオン相関関数にきわめてよく似た形にまとまることを示した。 (2)2次元ヤン-ミルズ理論の1-プラケット近似として、また2次元量子重力の模型として、それぞれ古くから知られるユニタリ1-行列模型とエルミート1-行列模型は、実は全く等価な同一の系の異なる記述にすぎないことを見いだし、証明した。すなわち、任意のユニタリ1-行列模型は、そのポテンシャルを分数一次変換し、それにメジャーからくるlog項を付け加えたものをエルミート1-行列のポテンシャルとするという対応により、1/N展開のすべての次数で厳密に等価になる。この事実はエルミート1-行列模型で開発されたすべての計算手法と得られた知見がユニタリ1-行列模型にも使えることを意味する。この等価性を用い、ユニタリ行列模型によるN=2, SU(2)ゲージ理論の構成により正しく種数1の振幅が求められることの証明や、チャーン-サイモンズゲージ理論のミラー行列模型におけるスペシャル幾何関係式の導出など様々な応用を示した。
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Research Products
(2 results)