2005 Fiscal Year Annual Research Report
行列模型による超対称ゲージ理論の相転移の研究-可積分系を用いた新手法-
Project/Area Number |
16540273
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
溝口 俊弥 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (00222323)
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Keywords | 行列模型 / 超弦理論 / 超重力理論 |
Research Abstract |
(1)5次元のN=2単純超重力が11次元超重力と多くの類似点をもつことに基づき、M理論とE_<10>シグマ模型の関係に関する最近の発展にヒントを得て、5次元単純超重力とハイパボリックG_2(G_2^H)カッツ-ムーディー群のあるコセットをターゲット空間とするシグマ模型について研究した。その結果、(i)5次元超重力の運動方程式やビアンキ恒等式が、「レベル」を3以下に切断したシグマ模型の運動方程式から(一部の項を除いて)再現されること(ii)G_2^HのA_3による分解を行い、高次微分補正項に対応したスケーリングに対応するA_3一重項が存在することなどを示し、ここでも11次元理論との類似が認められた。 (2)AdS_5/S^5上のタイプIIB超弦には、その可解性の一つの反映として無限個の非局所保存電荷が存在することが近年明らかになったが、平坦時空及びAdS_5/S^5のペンローズ極限によって得られるPP波時空の超限にも同様に非局所保存電荷が存在することを実際に計算することにより示した。また、そのPP波時空のトーラスコンパクト化およびそのT-デュアル理論の非局所保存電荷を比較した。さらに閉じた弦が巻き付き数を持つ場合に非局所保存電荷を撫順なく定義するための具体的な積分経路を明らかにした。 (3)IIB行列模型が10次元ヤン-ミルズ理論の0次元リダクションによって定義されて10次元タイプIIB超弦理論の非摂動論的定式化と考えられているという事実に基づいて、6次元ヤン-ミルズ理論の0次元リダクションによって定義される行列模型の性質を調べ、そのラージN極限がNS5-ブレイン上のリトルストリング理論になっていることを示唆する数々の証拠を得た。
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Research Products
(3 results)