2006 Fiscal Year Annual Research Report
行列模型による超対称ゲージ理論の相転移の研究-可積分系を用いた新手法-
Project/Area Number |
16540273
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
溝口 俊弥 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (00222323)
|
Keywords | 行列模型 / 超弦理論 |
Research Abstract |
(1)超弦理論の非摂動論的構成と期待されるIIB行列模型の、重力子超多重項に属する場の放出・吸収を記述する頂点演算子について研究した。IIB行列模型の頂点演算子は超重力理論の散乱振幅との対応づけのために重要であり、また行列模型の低エネルギー有効作用に関する知見をもたらす。今年度は、北澤教授、齋藤氏との共同研究により、新しい漸化式を用いた手法等を開発することによって未知の表式を決定することに成功し、完全な形の導出にさらに近づいた。また、6次元ヤン-ミルズ理論の0次元リダクションによって定義される類似の行列模型の性質を調べ、そのラージN極限がNS5-ブレイン上のリトルストリング理論になっていることを示唆する数々の証拠を得た。 (2)超弦の新しい共変な量子化である「ピュアスピナー形式」の4次元及び6次元の低次元時空に拡張に関して研究した。よく知られた超弦の量子化「グリーンシュワルツ形式」とピュアスピナー形式を10次元の場合に関係づけることが知られている「ダブルスピナー弦」を用いて、低次元ピュアスピナー弦が非臨界弦と関係づけられることを示した。 (3)平坦およびPP波上のタイプII超弦にも、非自明な無限個の非局所保存チャージが存在することを示し、T-デュアリティーによって局所⇔非局所保存チャージの取り替えが一部起こることを指摘した。また、弦がコンパクト化空間内で巻き付き数をもつ場合にも矛盾なくチャージを定義する積分経路を明示した。
|
Research Products
(4 results)