2006 Fiscal Year Annual Research Report
巨大ゼーマン効果を有する2次元電子系における準位交差と量子ホール強磁性
Project/Area Number |
16540280
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 眞司 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (40221949)
|
Keywords | 2次元電子系 / 磁性半導体 / 水素クリーニング / 電子移動度 |
Research Abstract |
本研究課題では、CdTeをベースとして磁性元素Mnを含む変調ドープヘテロ構造を作製し、Mnの局在スピンと2次元電子との間の交換相互作用により生じる「磁性」2次元電子系の特徴的な振舞いを明らかにすることを目的としている。昨年度から引き続いて、高移動度2次元電子試料の作製を目指して、分子線エピタキシー(MBE)法を用いた結晶成長技術に関する研究を行った。 2次元電子系の移動度向上の手法として、GaAs単結晶基板の成長前処理として水素プラズマクリーニング法を採用した。これは従来の熱処理による酸化膜除去に代わるの新しい手法であり、低温での処理であることからGaAs基板表面の荒れを抑制することができ、移動度向上に有効であることが実証された。また2次元電子濃度の電圧制御をフォトリソグラフィーによりゲート電極を装着したホールバー型の試料加工を試みた。 以上のような手法を用い、井戸層に磁性元素Mnを導入した(Cd,Mn)Te/(Cd,Mg)Te2次元電子系試料を作製した。強磁場下の磁気輸送特性および磁気発光特性の測定を行い、ランダウ準位占有数が整数の磁場位置で励起子再結合による発光のエネルギーにおいて不連続な跳びが見られ、その磁場位置がゲート電圧印加による電子濃度の変調により系統的にシフトすることを確認した。
|
Research Products
(6 results)