2004 Fiscal Year Annual Research Report
定加重下交流比熱測定装置の開発とCe_2RhIn_8の高圧下比熱の測定
Project/Area Number |
16540311
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
梅原 出 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (90251769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上床 美也 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40213524)
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Keywords | 高圧 / 定加重 / 交流比熱 |
Research Abstract |
高圧下で超伝導を引き起こす重い電子系化合物Ce_2RhIn_8を中心にCePd_2Si_2、CeRh_2Si_2の単結晶育成を行った。特に、Ce_2RhIn_8に関して、常圧で結晶学的スタッキング・フォルトによる超伝導の出現を制御する単結晶育成法を確立し、常圧下、高圧下で安定した物性を示す単結晶を得た。あわせて、CePd_2Si_2、CeRh_2Si_2の単結晶育成にも成功し、常圧下で様々な角度からその電子状態に関する知見を得、高圧下での物性測定の足がかりを得た。高圧下での熱容量測定で極めて重要な問題である圧力媒体の吟味をおこない、従来用いられた液体媒体に匹敵する高性能固体媒体としてパイロフェライトを見いだした。また、定加重発生を^3He温度領域で行える装置の製作を行った。圧力発生は、小型の10tプレス機でおこない、室温からの圧力伝達部、シリンダーには、当初計画のNiCrAl合金ではなく、さらに圧力特性、熱伝導特性に優れたMP35をもちい、圧力発生部への熱流入を抑えた。現在の圧力発生部はCuBeとNiCrAl合金のハイブリッドセルによるピストンシリンダー型の発生装置を用いた。室温での圧力発生をBiの構造相転移を測定し吟味した。約4GPaの圧力の発生が可能であることを見いだした。低温での達成温度の冷却テストも行った。到達温度は、圧力発生部表面で約0.7Kであり、最低温度での保持時間は約1時間であった。最低到達温度を下げかつ、最低温度保持時間を延ばすため、現在、熱輻射反射板の取りつけなどを行っている。交流比熱測定をおこなうため、20μmの熱電対装着用のスポットウェルディングシステムを開発し、成功した。この技術の確立で、早々に1K以下の温度領域から、4GPaの圧力下で熱容量の測定が可能になった。上述したCe_2RhIn_8の単結晶をもちいた測定に着手することが出来る状況に到達した。
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Research Products
(2 results)