2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540319
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
伊賀 文俊 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (60192473)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 昭司 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90081314)
|
Keywords | 高圧合成 / ホウ化物 / 近藤半導体 / カゴ状構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、希土類ホウ化物RB_6とRB_<12>(R=La〜Yb)のうちで、これまで常圧では合成できなかった物質を、高圧合成の手法(最高圧10GPa,最高温度1800℃)により作成し、その磁性、伝導、熱物性、電子構造スペクトル測定等から、これらの物質に期待される価数揺動、近藤効果、近藤半導体、多極子秩序、新しい磁気秩序等を見いだし、それらの発現機構を明かにすることである。 研究代表者の伊賀は、今年度は最高温度1800℃、最高圧力4GPaの条件下で試料作成のできる卓上高圧合成装置を立ち上げを行った。卓上型は手軽に扱える反面、従来のものは最高圧2.5GPaと大きな圧力は得にくく、高圧合成のネックとなっていた。今回、国内では初めて卓上型に4GPaまで加圧可能な圧盤を取り付けて、何回かの装置立ち上げと調整のあと、年度末にようやく所定の圧力と、温度(1800度C)を達成し、一時間保持することに成功した。これにより翌年度の物質探索の目処が付いた。 研究分担者の山中と大型キュービックアンビル高圧合成装置を駆使し、温度1600℃、圧力5GPa,保持時間約一時間の条件下でGdB_<12>の合成を行った。できた物質のX線構造解析を行い、GdB_6,GdB_<12>の2種類の相があることが分かった。これをそのまま磁化率測定に用いた所、GdB_6の磁気転移点15Kよりも高い温度,40Kに反強磁性体特有の屈曲点を確認した。この温度は今まで知られたRB_<12>の中では最高に高いネール点であるが、反強磁性的RKKY相互作用を仮定することで説明が付く。現在は10GPa掛けて1500度以上の温度を保持できる様にし、単相化するため、キュービックアンビル内に8面体のアンビルを組み込んで、2段押しにより高圧合成を行う準備を進めている。17年度はこの方式を推進する。
|