2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540322
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
永井 克彦 広島大学, 総合科学部, 教授 (90034743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東谷 誠二 広島大学, 総合科学部, 助手 (70304368)
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Keywords | 異方的超流動 / ヘリウム / エアロジェル / 不純物効果 / 音波伝搬 / パルスNMR / 集団励起 / P-波BCS状態 |
Research Abstract |
エアロジェル中の超流動he-3は異方的BCS状態での不純物効果を調べる典型例として注目を浴びている。この系について,A相のパルスNMR特性、B相の音波伝搬について調べた。また,p-波BCS状態の超伝導体として知られるSr_2RuO_4を対象に電子ラマン散乱のスペクトルの理論計算を行った。 1.A相のパルスNMR エアロジェル中のA相の秩序パラメータの構造は未だに明らかになっていない。最近カピッツア研究所のFominがA相の候補として新しい非ユニタリ状態を提案した。我々はこの状態でのパルスNMRの共鳴振動数のパルス幅依存性を計算した。その後大阪私立大学のグループが行った実験結果は我々の理論的予言と一致している。 2.エアロジェル中超流動ヘリウム3における超音波吸収実験の解析。 エアロジェル中超流動ヘリウム3の超音波吸収について,Keldysh形式のグリーン関数を用いて微視的な計算を行い,常流動相から超流動相までの全温度領域で実験結果を再現することに成功した。秩序変数の集団励起に対する不純物効果も調べ,準粒子状態密度が不純物効果によってギャップレス状態になっている場合は,集団励起による明瞭なピークは観測されないことを示し,実験結果を説明した。 3.p-波超伝導体の電子ラマン散乱 p-波BCS状態の超伝導体として知られるSr_2RuO_4を対象に電子ラマン散乱のスペクトルの理論計算を行い,対励起,集団励起に対する不純物効果を調べた。電子ラマン散乱がクーパー対の対称性を同定するのに有用な手段であることを示した。 4.超流動ヘリウム3の音響インピーダンス 超流動ヘリウム3の音響インピーダンスの理論的研究を行った。従来の理論では考慮されていなかった、表面散乱による対破壊効果を定量的に評価することによって、実験とのよい一致が得られることを示した。
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Research Products
(6 results)