2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540323
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
繁岡 透 山口大学, 理学部, 教授 (50167441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上床 美也 東京大学, 物性研究所, 助教授 (40213524)
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Keywords | TbCu_2Ge_2 / 正方晶三元化合物 / メタ磁性 / 反強磁性 / 磁化過程 / 比熱 / 磁化率 |
Research Abstract |
正方晶三元化合物TbCu_2Ge_2が示す"不思議なメタ磁性転移";磁化困難方向[001]方向に現われるメタ磁性転移がネール温度以上の30K付近まで残るという不思議な現象の起因解明を目的として,実験を進めてきている。 1.純良単結晶の育成;種々の物性測定および中性子回折実験のために,いくつかの単結晶試料の育成を行った。 しかし,中性子回折の結果では,大きな完全な単結晶は得られていないことがわかった;小さな結晶しかえられなかった。したがって,今後もより大きな純良単結晶の育成を行っていく予定である。 2.比熱測定;ネール温度T_N=12.3Kおよび磁化率の温度依存より磁気転移が示唆されるTt=9.3Kに転移を示す明瞭なピークが見られた。このピークの形から,T_Nの転移は2次転移,Ttは1次転移であることがわかった。磁化率の温度依存において異常がみられた30K付近では比熱においては異常は観測されなかった。したがって,メタ磁性転移が消える温度に関しての情報は得られなかった。 3.中性子回折実験;単結晶を用いた中性子回折実験を試みた。しかし,単結晶のモザイクが大きいかあるいは幾つかのグレインに分かれているかのために,軸が立てれず,実験を行えなかった。より大きな純良単結晶が必要である。 4.磁気的測定;磁化率および磁化過程の測定を再度行った。結果は,以前の結果をよく再現しており,試料依存性はないように思える。 関連するこの化合物系の磁気的測定結果等を,"2004年強相関電子系の国際会議(カールスルーエ,ドイツ)","2004年希土類国際会議(奈良)"および日本物理学会等において発表を行った。
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Research Products
(6 results)