2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハミルトン力学系的視点に立つ渦の3次元非線形安定性理論
Project/Area Number |
16540345
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福本 康秀 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30192727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 裕司 九州工業大学, 工学部, 助教授 (70261469)
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Keywords | Kelvinの渦輪 / 曲率不安定 / らせん渦 / Dysonの方法 / ハミルトン的スペクトル理論 / 弱非線形安定性 / 理想NHD流の渦界面ダイナミックス / 回転乱流のシェルモデル |
Research Abstract |
渦線の曲率効果に起因するKelvinの渦輪の新しい3次元不安定メカニズムを発見した.Bessel関数を用いて固有関数を陽に書き下すことによって,撹乱の全波数領域にわたって増幅率を高精度で計算し,さらに,増幅率の高波数領域での漸近形を求めた.ハミルトン力学系の観点から,スペクトル構造を数学的に明らかにした. 渦輪の不安定性について,非線形領域における挙動を調べるため,Kelvinの渦輪の弱非線形解析と直接数値計算を行った.前者により導かれた振幅方程式によると,曲率不安定性はその発現の後,ある振幅で飽和し,指数成長と指数減衰を周期的に繰り返す.後者ではWidnall不安定性の詳細な挙動を明らかにすることができた. 捩率は渦線の非自明なトポロジーをもたらす.らせん渦管まわりの流速場の計算を行った.従来の扱いはすべて,太さが無限小であることを仮定している.Dysonの方法を3次元に拡張することによって,渦核の有限太さの効果を系統的に取り込むことができるBiot-Savartの積分の漸近展開法を開発した.渦核近傍では,核内の構造の反映である双極子場の寄与を無視できない. 理想MHD流れについて,軸対称性などの仮定の下でcontour dynamicsによる定式化を導き,これを用いた数値解析法を提案した.直接数値計算との比較を行い,提案した手法が有効であることを示した. 回転乱流の統計的性質をシェルモデルにより調べた.回転の効果が強くなると,慣性領域のエネルギースペクトルはコルモゴロフ則からずれ,波数の-2乗に比例する.これが弱い乱流の理論により説明できることを示した.
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Research Products
(6 results)