2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハミルトン力学系的視点に立つ渦の3次元非線形安定性理論
Project/Area Number |
16540345
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福本 康秀 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30192727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 裕司 九州工業大学, 工学部, 助教授 (70261469)
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Keywords | レーザー・金属相互作用 / らせん渦管 / Dysonの方法 / 弱非線形安定性 / ノーマルフォーム / 振幅方程式 / 3波共鳴 / 磁気渦のエネルギーバランス |
Research Abstract |
数十ナノ秒のXeClエキシマレーザー・パルスをCoコートした基板上に照射すると,渦糸が生成され瞬時に急冷凍結し,その瞬間のパターンを電子顕微鏡画像として切り取ることができる.複数回照射を繰り返すことによって,不安定化した渦輪の生成に成功した.Widnall不安定に加えて,曲率不安定など,4種類の不安定モードを同定した. らせん渦管まわりの流速場の計算を行った.従来の扱いはすべて,太さが無限小であることを仮定している.Dysonの方法を3次元に拡張することによって,渦核の有限太さの効果を系統的に取り込むことができるBiot-Savart積分の漸近展開法を開発した.渦核近傍では,核内の構造の反映である双極子場の寄与を無視できない.さらに,渦管近傍で有効な速度の漸近形を導出した. ひずみ流中の楕円渦上の屈曲Kelvin波撹乱(方位波数m=1,-1)の振幅の弱非線形発展方程式について,SO(2)xO(2)対称性にかかわるHamiltom的ノーマルフォームによってその可能な形を絞り,非回転不安定モードについて,主要部の係数の値を具体的に計算した.非線形効果で成長は飽和する.しかし,方位波数m=3,4のKelvin波と3波共鳴を起こして屈曲モードが2次不安定を起こすことを,振幅方程式を導いて,それを解析することによって示した. 渦輪の安定性について,弱非線形解析により別種の振幅方程式を導いた.振幅方程式の数値解析を行い,系が一般にカオス状態に陥ることを見出した. 電磁流体中の磁気渦の運動について,ある仮定の下でコントゥアー・ダイナミクスによる定式化を行った.厳密解の族を発見し,これがエネルギーバランスにおいて重要な役割を担っていることを,コントゥアー・ダイナミクスによるシミュレーションと直接数値シミュレーションにより明らかにした.
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Research Products
(6 results)