2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540347
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中村 勝弘 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50140801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 章 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20192651)
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Keywords | 調和型閉じ込めポテンシャル / 非線形シュレーディンガー方程式 / エルミートクラスター渦 / カオス / グロス=ピタエフスキー方程式 |
Research Abstract |
本研究では、調和型閉じ込めポテンシャル中のボーズ=アインシュタイン凝縮体(BEC)の波束に存在する、エルミートクラスターと呼ばれる渦構造に着目する。構成する渦は独立した渦ではなく、互いに大域的にリンクしている。 基礎方程式として、渦のダイナミクスを記述する非線形シュレーディンガー方程式(グロス=ピタエフスキー方程式)を用いている。ここで、波動関数は複素凝縮場(原子凝縮体の複素振幅)を表す。数値シミュレーションにおける計算方法としては高速高精度の擬似スペクトル法を用いている。 まず、調和型トラップがない時の渦のダイナミクスを数値解析し、点渦の有効理論を再現することを示している。また、非線形シュレーディンガー方程式から集団座標の方法で有効理論を導出する試みについても記述している。 調和型トラップがある時、初期波動関数としては非線形項がゼロのときに得られる線形極限での励起状態に対応するエルミート多項式を含んだ渦解を用いる。これは渦を複数個含んだエルミートクラスター渦を表している。また、一般によく用いられる孤立渦の直積を用いた渦解をガウス型減衰因子で補正した解も比較のため考察している。 孤立渦の直積で作った渦は、調和型トラップを取り入れても、相関をもたず周期的な運動をするが、エルミートクラスター渦の場合、相互作用を強めると渦はカオス的な振る舞いをする。こうして、トラップがない時の少数個の渦の規則運動は、トラップを入れることで複雑な運動をすることがわかった。
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Research Products
(6 results)