Research Abstract |
本年度も前年度に引き続いて,区間I_q:={±1/2,±q/2,±q^2/2,…}(qはパラメータ)上で定義された次のq-離散Nahm方程式を主に考察し,特にその可積分性を調べた.D_qはq差分演算子である. D_qT_j(z)=(1/2)ε_{jkl}(T_k(qz) T_l(z)-T_l(qz) T_k(z)),j,k,l=1,2,3 この方程式は自己双対ヤン・ミルズ場のADHM構成法を上記区間I_qにおいて考察する際に派生的に導かれたものであり,[1]でその構成法の概要が示された.特に,この方程式にEuler top(オイラーのこま)型簡約 T_j(z)=σ_jf_j(z)/(2i) (σ_jはパウリ行列),j=1,2,3 を行って得られるq-差分方程式が特異点閉じ込めテスト(singularity confinement)を通過することが,[1],[2]及び[3]で報告された. さらに,Flaschka流の戸田型簡約の場合についても調べ[4]で報告した.この戸田型簡約を行って得られるq-差分方程式が特異点閉じ込めテストを通過するかどうかについては,大いに興味が持たれるが,まだ結論は得られていない.これについては早急に調べる予定である. [1]「q-離散Nahm方程式の構成」中村厚,鎌田勝 日本物理学会2005年秋季大会(同志社大学),口頭発表 2005年9月19日 [2]「q-離散Nahm方程式の可積分性」中村厚,鎌田勝 九州大学応用力学研究所研究集会「非線形波動および非線形力学系の現象と数理」,ポスターセッション 2005年11月11日 [3]"The variant of ADHM construction associated with q-difference operators", Atsushi Nakamula 京都大学基礎物理学研究所研究集会「場の量子論の基礎的諸問題と応用」,ポスターセッション 2005年12月19日 [4]「q-離散Nahm方程式の戸田型簡約」中村厚,鎌田勝 日本物理学会第61回年次大会(愛媛大学),口頭発表 2006年3月27日
|