2004 Fiscal Year Annual Research Report
ボーズ-アインシュタイン凝縮系に対する3次元量子渦糸シミュレーション
Project/Area Number |
16540355
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
佐々 成正 日本原子力研究所, 計算科学技術推進センター, 研究員 (10360421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 昌彦 日本原子力研究所, 計算科学技術推進センター, 副主任研究員 (60360434)
坪田 誠 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10197759)
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Keywords | 希薄原子気体 / ボーズ-アインシュタイン凝縮 / 量子渦糸 / 渦糸乱流 / 液体ヘリゥム / コルモゴロフ則 |
Research Abstract |
[1]希薄中性原子気体のボーズ-アインシュタイン凝縮体を記述するGross-Pitaevskii方程式の3次元動的シミュレーションを行って、回転系での量子渦糸の3次元ダイナミクスを明らかにした。まず初期段階で、シュミレーションプログラムをベクトル・並列型スーパーコンピューターに最適化し、数値計算の高速化を実現した。その後,系統的な3次元シミュレーションをおこなって、次の事柄を明らかにした。(1)全系のダイナミクスは1つの散逸過程をなしており、エネルギー散逸の割合によって3つの状態に分けられる。(2)渦はトーマスフェルミ端付近で衝突、つなぎ替え等の3次元的な相互作用を起こして、渦糸乱流状態が存在する。また、ケルビンモードのような3次元的な運動をすることも判明し、これまでの2次元モデルでは解析できない事実を明らかにした。(3)トーマスフェルミ端外に存在する幽霊渦の個数と(実)量子渦の個数との関係、また渦糸格子状態での幽霊渦と量子渦の関係にを明確にした。 [2]液体ヘリウム4の超流動乱流状態を理解するため、超流動密度のダイナミクスを記述するGross-Pitaevskii方程式に対する3次元大規模シミュレーションを行い、量子渦糸のダイナミクスが超流動定常乱流状態や超流動乱流遷移にどのように寄与しているかを直接的に明らかにした。特に、無散逸の場合に生じる短波長励起をかき消す現象論的散逸項を回復長よりも小さいスケールに導入する事により、得られたエネルギースペクトルがKolmogorovの-5/3則に一致する事が明らかとなった。
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Research Products
(8 results)