2004 Fiscal Year Annual Research Report
内部自由度のある気体ボース凝縮体における量子渦のダイナミクス
Project/Area Number |
16540359
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
桑本 剛 学習院大学, 理学部, 助手 (10337909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 琢也 学習院大学, 理学部, 助教授 (00251330)
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Keywords | ボース・アインシュタイン凝縮体 / 超流動 / 量子渦 / レーザー冷却 / 幾何学位相 |
Research Abstract |
本年度は、外部磁場の制御により、幾何学的に凝縮体の位相を操作して量子渦を生成するための開発及び準備実験を行った。 (1)高精度に磁場を操作するために電界効果トランジスタ(FET)を用いた高精度電流コントロール回路系を製作した。この回路とコンピューターからの制御電圧を組み合わせ、磁場発生のためにコイルに流す電流値を高速・高精度に制御することが可能となった。 (2)量子渦の存在を確認するための測定系の開発を行った。従来より高出力の半導体レーザー素子を使用して、外部共振器型半導体レーザー及び、レーザー周波数を特定の周波数に1MHz以下の精度で安定化する制御回路を製作した。これにより測定対象である凝縮体を2方向から撮像可能となった。またレーザーの高出力化により、より高倍率での撮像が可能となった。 (3)高い時間分解能で各種装置の制御及び測定を行うために、現在広く普及している計測・制御ソフトウェアであるLabVIEW及び、対応ハードウェアを導入した。これにより10μsという高い時間分解能での信号制御が可能となった。また、従来の制御系にあった不安定性が解消ざれ、実験を長時間安定して行う事が可能となった。 (4)内部自由度のある凝縮体の基本性質を知るために、光トラップ中の^<87>Rb凝縮体の時間発展を様々な外部磁場環境下で観測した。系統的測定から、我々が扱う全角運動量F=2の^<87>Rb凝縮体は反強磁性的な磁気的性質をもつことが判明した。今後は凝縮体中に量子渦を生成し、そのダイナミクスと共に、量子渦と磁性との関わりを追求していく予定である。
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Research Products
(1 results)