2006 Fiscal Year Annual Research Report
β構造を主として有する蛋白質フォールディングの初期事象
Project/Area Number |
16540373
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
木原 裕 関西医科大学, 医学部, 教授 (20049076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 正之 関西医科大学, 医学部, 講師 (20148555)
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Keywords | αヘリカルバースト / 蛋白質フォールディング / β構造蛋白質 |
Research Abstract |
蛋白質は特定の道筋を通ってフォールドする(Levinthalのparadox)。したがってフォールデイング研究の第一の目的は,その道筋を明らかにすることである。我々はクライオストップトフロー法により,X線溶液散乱,円偏光二色作,蛍光をプローブとして用いて,蛋白質の2次構造,コンパクト化の時間的経過を直接測定する方法を開発してきた。それを用いて,現在までに主にαヘリックスからなる蛋白質(アポミオグロビン,lambda repressor)のαヘリックス形成速度を測定すべく試みてきたが,これは我々の現在の方法では測定できないほど速い。一方,β構造を主として持つ蛋白質の場合には,β構造が形成される前にαヘリックスの形成が観測される蛋白質が見つかってきた。我々はこれがかなり一般的な現象であると考えはじめている。もしそうなら,これは従来の蛋白質フォールディングの主描像を書き換えることになる。本研究では,最もαヘリックスができそうにない蛋白質であるSH3ドメインを用いて,フォールディング中間体の研究を行ってきた。 その結果, (1)src SH3,fyn SH3の両者の場合とも,αヘリックスを多く含む初期フォールディング中間体が形成されることがわかった。 (2)さらに多くの蛋白質を検証した結果,この初期中間体に含まれるαヘリックスの含量は,ヘリックスコイル転移の理論に基づいて予測されるヘリックス含量と良く線形の関係を満たすことがわかった。 (3)src SH3の45番目のAlanineをGlycineに置き換えた置換体(A45G)は中性では,野生株と同じ構造を示すが,pHが酸性側でフォールディング初期中間体と同じαヘリックスの多い構造を取ることが判った。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Structure of Escherichia coli uracil DNA glycosylase and its complexes with nonohydrolyzable substrate analogues in solution observed by synchrotron small-angle X-ray scattering2006
Author(s)
Timchenko, S.K., Kubareva, E.A., Volkov, E.M., Voronina, O.L., Lunin, V.G., Gonchar, D.A., Degtiarev, S.K., Timchenko, M.A., Kihara, H, Kimura, K
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Journal Title
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