2004 Fiscal Year Annual Research Report
マリアナでの日米合同海陸長期地震観測による背弧域地下構造の解明
Project/Area Number |
16540378
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩原 肇 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60211950)
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Keywords | マリアナ / 深発地震 / マントル構造 / 海底地震観測 |
Research Abstract |
昨年度に開始していたマリアナでの日米合同長期海底地震観測のデータ回収を2004年4〜5月に、米国研究船WECOMAにより実施した。設置した海底地震計は総数で58台であったが、未回収・機器トラブルなどの障害によりデータ回収率は約8割であった。日本の海底地震計及び米国の陸上臨時観測点の回収を4月の前半航海で行い、船上でデータのバックアップを作成した上で、海上輸送によりサイパンから日本へ機材を返送した。その後、5月の後半航海で米国の海底地震計回収を行った。 2004年5月20〜21日に米国側代表者であるDouglas Wiens教授が来日し、後半航海の概要報告・今後のデータ交換・データ解析分担について、地震研究所及び海洋科学技術センターで関係者を交えた会合で議論した。陸上地震観測網で検出されているグローバルな地震についてはイベントデータでの交換をほぼ完了したが、本臨時観測でのみ検出される地震についての解析は日米相互で全観測期間のデータを交換する必要があるため、データフォーマット・解析方針についてメールによる協議中である。予備的な地震検出と震源決定によれば、背弧海盆の拡大軸に沿ったものと前弧側の泥火山周辺での地殻内の活発な地震活動が見出された。これらは本観測に先立ち2001年に行った長期海底地震観測でも見られ、ほぼ定常的な地震活動であると考えられる。 パイロット観測として2001年に行った観測データの解析では、約1年間分の地震記録を読み取った地震波到着時刻データを用いて、震源決定と速度構造の同時決定を行ってきた。約3000個の地震を検出したことで、先験的情報を入れずとも沈み込む太平洋プレートの様子を見出すことが出来ている。また、詳細な震源分布が得られ、陸上観測網で決定されたものには大きな水平的偏差が含まれていることも明らかに、これらは2004年12月にAGU学会でポスター発表した。
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