2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
榎森 啓元 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30262257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 清 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10025455)
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Keywords | 原始惑星 / 巨大衝突 / 惑星集積過程 / SPH流体数値計算 / 重力多体系 |
Research Abstract |
研究初年度は以下の内容を実行した。 1.原始惑星の衝突を数値的に再現する、流体数値計算プログラムの開発 多体重力相互作用計算専用ハードウエア「Micro Grape」を導入し、現有のSPH流体計算プログラムへの組み込み作業を開始した。現在最終試験と計算精度の確認作業を行っている。 2.惑星衝突の数値再現実験 本研究の目的は惑星集積後期過程に多く実現したであろう、月質量程度より大きい原始惑星の相互衝突を数値的に再現し、衝突後の質量と角運動量の再配分を確認することである。 原始惑星同士の衝突には、衝突する2つの原始惑星の質量、衝突速度、角運動量、自転角運動量さらに原始惑星の圧力と密度の関係を与える状態方程式など、その衝突の様子を左右し得る要素が数多く存在する。今年度は現有の数値計算プログラムを利用して典型的と衝突例として、以下の条件を置き、衝突時の角運動量を変えて計算を行った。 ・衝突天体2天体の質量:地球質量と月質量 ・衝突速度:双曲軌道での衝突を仮定 ・自転速度:2天体とも自転無し ・状態方程式:ポリトロープ3 以下計算結果の概要を示す。 ・衝突天体の予想最近接距離をパラメーターとして衝突実験を行い、質量の再分配の様子を確認 ・衝突後の、小さい方の天体の質量の分配を求めた結果、予想最近接距離が惑星半径の合計の2倍以下のときは、大きいほうの重力圏にほぼすべての質量が捉えられることが分かった。この結果、原始惑星の衝突断面積は、これまで用いられてきた惑星半径の合計よりもはるかに大きくなる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)