2005 Fiscal Year Annual Research Report
SPACE GEODESY から生まれた数理的フロンティア研究
Project/Area Number |
16540386
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
徐 培亮 京都大学, 防災研究所, 助手 (10293961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 洋一 京都大学, 理学研究科, 助教授 (30133854)
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Keywords | space geodesy / mixed integer linear model / probabilistic bound / ocean bottom deformation / inverse problems / variance components |
Research Abstract |
平成17年度の主要な研究課題として混合整数線形モデル、逆問題の理論、精密海底地殻変動と衛星観測値の精度についての研究を行った。具体的な内容は以下の通りである。(i)GPS宇宙測地における基本モデルとしての混合整数線形モデルについて整関数の最適確率境界を計算した。従来、最善とされていた上限確率境界はShannonが1959年に公表したものであるが、本研究ではShannonの結果に比べ2倍程度の精度改善がなされた。また、下限確立境界も従来に比べ数倍良い結果が得られた。さらに、GPSのambiguityを正確に決定するため、整関数のconservative hypothesis testingを提唱した。(ii)衛星重力ミッションCHAMPによる精密重力場の決定では、従来、通常、Kaula ruleが使われていたが、本研究の数値シミュレーションの結果、正則化を用いることで、Kaula ruleに比べ、球関数係数の精度が数倍から数十倍向上できることが判明した。また、1変数の正則化と多変数正則化についての比較研究も行った。(iii)地球表面の70%は海面下であるので精密海底地殻変動観測は重要な技術である。本研究ではGPSと音響測位に基づく新しいdifference techniquesを開発した。この方法はScripps海洋研究所が提唱していた方法より理論的に優れており、水平成分・上下成分とも高い精度での測位が可能である。(iv)衛星重力ミッションでの観測値の精度は同じではないため、解の安定性が非常に悪くなる。そのため、観測値の実際の精度と重力場の球関数を同時に決定する必要があり、本研究では、観測値の残差から正則化の影響を除去し、ほぼ不偏な分散成分を決定した。さらに、正則化と分散推定との相互作用の影響を避けるため、反復解法を提唱した。
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Research Products
(4 results)