2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540391
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
花田 英夫 国立天文台, 電波研究部, 助教授 (60132677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 裕介 国立天文台, 電波研究部, 上級研究員 (00370106)
松本 晃治 国立天文台, 電波研究部, 主任研究員 (30332167)
鶴田 誠逸 国立天文台, 電波研究部, 研究技師 (10260019)
河野 宣之 国立天文台, 電波研究部, 教授 (10186116)
日置 幸介 北海道大学, 理学研究科, 教授 (30280564)
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Keywords | 3次元軌道決定 / 人工衛星 / ドプラー計測 / 重力場 / 相関位相 |
Research Abstract |
月周回衛星の軌道を3次元的に観測することが、月の重力場推定にとってどれだけ効果的であるかを示すために、ドプラー計測とVLBIを組み合わせた3次元軌道決定についてシミュレーションを行った結果、(1)月の裏側の重力場の誤差が劇的に減少する、(2)これまでアプリオリな拘束条件によって決まっていた重力場係数の多くを観測から決定できる、(3)代表的な月重力場モデルであるLP100Jに対して次数30次程度までの重力場係数の精度を一桁近く改善できる、ことを示した。とくにVLBIを組み合わせることによって、低次の重力場の精度を向上させるとともに、ドプラー観測では感度が低い、月の縁辺部の重力場の精度を向上させることに大きく貢献できることが明らかになった。また、3次元の軌道決定を高精度に行うためには、VLBI観測において2πの不確定を除去する必要があり、そのためには位相測定精度を向上させるとともに、2衛星からの電波の位相変動の差をできるだけ小さくする必要がある。S帯の同一ビーム観測の場合の2衛星の相関位相差の誤差要因は、受信機の位相周波数特性による成分が1度、中性大気とシステムの不安定性による成分が0.7度、受信アンテナの位相特性の不均一による成分が0.1度、熱雑音による成分が0.7度以下、送信アンテナの位相特性の不均一による成分が0.02度以下と見積もることができる。最終的に、S帯の相関位相差の決定精度は約2度RMSであると見積もられ、2πの不確定を解くことができる。X帯の場合は、受信機の位相周波数特性による成分が1度以下、受信アンテナの位相特性の不均一による成分が0.6度、熱雑音による成分は0.7度、1.1度であり、最終的に相関位相差の決定精度は約4.7度RMSである。
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Research Products
(4 results)