2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星塔載型磁力計方式での地上観測所3成分絶対磁場測定装置の試験研究
Project/Area Number |
16540406
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
亀井 豊永 京都大学, 理学研究科, 助手 (10233967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家森 俊彦 京都大学, 理学研究科, 教授 (40144315)
能勢 正仁 京都大学, 理学研究科, 助手 (90333559)
竹田 雅彦 京都大学, 理学研究科, 助手 (30236484)
HEATHER McCreadie 京都大学, 理学研究科, 研究員 (20378590)
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Keywords | 地磁気絶対測定 / 非磁性セオドライト / 星座による角度測定 / 非磁性材料 / 人工衛星磁場観測方式 / 地上磁場観測 |
Research Abstract |
16年度はかなり予定が狂い、備品の調達先をかなり変更し、予定よりかなりおくれたが、何とか予定の装置の試作の段階はクリアできたと考える。 まず、非磁性セオドライトであるが、安価に非磁性材料でセオドライトを作成出来る業者はなく、材料を特注して自分で部品を組み立てることとした。実際には,峰山観測所で使用中の非常に古いセオドライトで使われている可動式水準器を使わない方式にセオドライトを改造し11月に行われた国際比較に使用して、遜色の無い性能が出ることを確認し、テスト用にプラスチックで作った模型で試作の試作をし、最終的に非磁性ステンレススチールとボールベアリングを特注し、角度検出器の鉄部分を取り替えることで試作機の骨組みを作成した。 更に光学系(ビデオカメラ)も非磁性にする事が出来ない事が判明したので、光学系を回転中心に置きそれに1軸磁力計を乗せる方式を改め、セオドライトを十分大きくして、ビデオカメラは端に置き、磁力計がこの影響を受けない場所で星座観測をする方式とした。この方式でも天体は無限遠にあると考えて良いので、星座を観測する角度精度はおちない。また、初期Testとして磁場ゼロの円を9分でセオドライト正方向で3回転、1分でセオドライト全体を逆方向に向けさらに3回転しその平均をとるスピードにし、テストで徐々に速度を上げることにした。 16年度に日本で磁揚観測の国際Workshopを開催して色々な国の観測者を招いたのであるが、これが安価で良質な1軸磁力計を得るのにわざわいをしてしまった。1軸磁力計については、内定を受けて即、購入予定のデンマークのメーカーに仕様を伝え仮発注したのであるが、workshopなどで、このメーカーの評判が高くなり中国からの3軸磁力計が37台受注とメーカーの2年分の作業量を超えるとの返事が入ってきて、急遽、別会社から購入することしたため、予定より重量・容積が増えた。このため、セオドライトの中心に1軸磁力計のみをおく方法をとった。さらに、回転・角度制御は模型用モータで試作の試作をしたが、最終的には非磁性超音波モータで置き換える事とした。まだ完全なTestが終わっていないので、更なる改良を加える。 ビデオは白黒モードで星座がDVケーブルを用いてLinuxで1秒30枚でnote PCのメモリーに取り込める所まで進んでいるが、ビデオカメラ内部で画像が0.2秒程度遅れるので、これで角度を制御するより、磁力計のデータだけで絶対値を絞り込み、最初は、この角度をこの星座データで測定する方式とする。17年度はこの改良と星座からの角度算出と屋外での使用を目指す。
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