2006 Fiscal Year Annual Research Report
SuperDARNレーダー生時系列観測解析手法による極域電磁圏ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
16540410
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
堤 雅基 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (80280535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細川 敬祐 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80361830)
行松 彰 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (70260007)
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Keywords | SuperDARN / 極域電離圏・磁気圏 / 極域中間圏 / 電離圏F層電場 / 極域中間圏夏期エコー / 流星風 / 高時間空間分解能観測 / 時系列観測 |
Research Abstract |
Yukimatu and Tsutsumi, GRL, 2002で開発した、SuperDARNレーダーを用いた、生時系列観測・解析手法を発展させ、周波数領域干渉法(FDI)をSuperDARNレーダー制御ソフトに組み込む開発を行い、まず、2周波を用いたFDI法での流星観測で、観測が問題なく可能で、レンジ方向に高空間分解能の観測が可能であることを、oversampling手法や干渉計法との比較により確認した。 この手法を昭和基地のSuperDARNレーダーの定常観測に適応し、従来のF層観測に影響を与えない純粋な副産物としての流星エコー観測を実施した。得られた流星エコーをもとに中間圏界面領域の中性風速の長期連続観測が実現した。同手法を他のSuperDARNレーダーにも適応し、南北極域を取り巻く中間圏界面観測ネットワークを実現する努力を行った。 更に、この手法を発展させ、より一般的な、多周波によるFDI法を生時系列観測手法に組込むソフトウエアの開発を行い、2007年2〜3月に開発されたソフトウェアをCUTLASS SuperDARNに組み込み、EISCAT Tromsoにある電離圏加熱装置で人工励起された沿磁力線不規則構造(FAI)をSuperDARNレーダーでの多周波FDIモードで初めてとなる観測を実施した。電離圏の擾乱を少ない条件のよい期間の観測データも取得することができ、同時に行われたEISCATTromsoUHFレーダーによる観測結果からは高時間分解能の2次元の電子密度、温度等の分布等が得られ、加熱領域の空間的な広がりを捉えるとともに、イオン音波擾乱に起因する受信パワーの大きな変動が1秒以下の時間スケールでみられた。同時に、SuperDARNレーダー高時間分解能観測でも、加熱領域における同様の極めて大きなエコーパワーの変動を観測しており、相互の関連、これを引き起こす物理、FAIの生成消滅等に関係した新たな知見を得るべく、鋭意努力している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] A Climatology of Tides in the Antarctic Mesosphere and Lower Thermosphere2006
Author(s)
Murphy, Forbes, Walterscheid, Hagan, Avery, Aso, Fraser, Fritts, Jarvis, McDonald, Riggin, Tsutsumi, Vincent
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Journal Title
J. Geophys. Res. 111
Pages: doi:10. 1029/20 05JD006803
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