2005 Fiscal Year Annual Research Report
地震断層のフラクタル電磁気・放射線特性と地殻応力に関する研究
Project/Area Number |
16540411
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長濱 裕幸 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60237550)
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Keywords | フラクタル / 鉱物赤外吸収率 / 熱ルミネッセンス / 誘電率 / 摩擦プラズマ / 地震断層 / 地殻の強度軟化 / シンチレーションサーベイメータ |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績は以下の通りです。 1.断層帯のフラクタル電磁気的特性の解析:岩石帯磁率・岩石誘電率測定器とインピーダンス・アナライザを用いて、フラクタル電磁気的特性の測定を行った。また、断層岩試料の帯磁率異方性・岩石誘電率・比抵抗・インピーダンスのスケール不変性を検討する。またフラクタル電磁気的特性値と勇断変形度(歪)との相関を求めた。さらに断層の静電気特性(プラズマ放電特性)を実験的に調べた。 2.断層帯の放射線特性の解析:携帯用シンチレーション・サーベイメータとスペクトルメータを用いて、断層帯内の放射線強度と放射線核種拡散経路の測定を双葉断層・旭山撓曲・須江丘陵周辺で行い、空間電離作用に伴い誘起する大気電位との関係を検討した。 3.岩石変形摩擦実験のデータとの比較解析と断層岩に関する地質応力・歪計の提出:断層に関する天然のフラクタル特性データと実験データを整理し、求められた各種フラクタル特性と岩石変形特性構成則との関係を確立した。 4.地殻の応力レベルの見積もりと現実的な地震断層モデルの提出:断層のフラクタル電磁気特性から断層帯の形成条件や形成場について言及し、勇断帯における地殻の応力(強度)レベルの算出をおこなうとともに現実的な地震電磁気断層モデルを提出した。さらに、平成17年度研究計画の結果から断層帯のフラクタル電磁気的特性値と岩石変形摩擦実験によるデータを用いて、地殻の応力問題や地殻応力場内で形成される断層帯の電磁気構造・放射線核種拡散経路・断層運動に伴うプラズマ放電現象・断層周辺の放射線電離現象に伴う大気電位と電離層擾乱・地震前兆電磁気の関係を解明した。 5.研究成果の公表:研究成果の一部を国際会議・国際学術雑誌などで公表した。さらに、地震前兆電磁気現象や放射線電離現象に関する研究成果を現在投稿中です。
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Research Products
(17 results)