2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島における中新世以降の広域テフラの検出とそれらの拡散・堆積機構の検討
Project/Area Number |
16540412
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
黒川 勝己 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50089835)
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Keywords | 白河火砕流 / 千年テフラ層 / 大隅石 / 関屋テフラ層 / SK110テフラ層 / 新潟地域 / 2層流 / bipartite |
Research Abstract |
1 テフラ層の対比について (1)本年度は新潟地域,福島県会津地域,千葉県房総地域および静岡県掛川地域などでテフラ層の野外調査を行った.それぞれの地域での各テフラ層の層準,産状,堆積構造などを観察・検討するとともに室内での分析を行い,対比を検討した. (2)新潟地域のTugmテフラ層および房総地域のKd18テフラ層が福島県会津地域の白河火砕流堆積物に対比されることを明らかにした.これは中央日本のテフラ層の給源について,会津地域を給源とするものを始めて検出したことになる. (3)新潟地域の東頸城丘陵に分布する千年テフラ層は重要な鍵層であるにもかかわらず,従来その層位や年代が不明であった.本研究において,その詳細な記載岩石学的検討と新たに大隅石を発見することにより,それがSug-aテフラ層に対比され,その年代が約2.4Maであることを明らかにした.また長野県飯山市西方大川層中の関屋テフラ層が新潟地域のChw-2テフラ層,および掛川層群の岩滑III-Vテフラ層に対比されることを明らかにし,その年代が約2.25Maと決定した. 2 テフラ層の拡散・堆積機構について 魚沼層群のSK110テフラ層は長野県大町市の大峰溶結凝灰岩層や秋田地域北浦層のKm3テフラ層に対比されるが,これらが陸上の火砕流から海底の2層流(bipartite)として給源から約450km流走した可能性を示した.これが確証されると,国際的に見ても同一の重力流として最長距離を流走した実例となる.
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Research Products
(4 results)