2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540424
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
金松 敏也 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90344283)
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Keywords | 黒潮続流 / 大水深 / 磁気特性 / 相対地球磁場強度 |
Research Abstract |
親潮・黒潮混合域の堆積物は黒潮続流および親潮の変動を記録しており、過去の地球表層熱循環を考える上で重要な海域である。特に黒潮は赤道の暖水プルームから中緯度へ熱を運搬する熱輸送システムとして亜熱帯循環系で重要な役割を果たしている。しかし黒潮・親潮会合域は大水深のため環境変動や、年代決定に有力な情報源である炭酸塩化石を含まないため研究が遅れていた。大水深堆積物に対して岩石磁気特性を環境変動のプロキシーとして適応し、また近年、標準曲線が構築された相対地球磁場強度を年代軸として適応できるか検討を行っている。 今年度は、現在使用できる黒潮続流海域における堆積物の磁化特性のデータを追加した。その結果、既存データと同様、磁性鉱物の量が多い層準は磁気的にも比較的均質な岩相であり磁性鉱物も非常に多い事を示した。また時系列変動を知るため、各堆積物柱状試料から得られる相対地球磁場強度の変動によって高解像度の年代モデルを構築してきた。この年代モデルによると磁気特性の変動は氷期-間氷期サイクルとタイミングが合致しており、この事は黒潮の氷期-間氷期における流路変動により堆積物の供給が変化していることを示している。今年度は年代モデルを確実にするためにさらに、各コアに含まれる広域火山灰層の対比を行い、確立した年代モデルに矛盾がない事を確認した。このような手法を用いて、同海域において観測点を増やすため、他機関等で採取された試料を入手した。
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