2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16540438
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安東 淳一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50291480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 洋 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10208770)
富岡 尚敬 神戸大学, 理学部, 助手 (30335418)
井上 徹 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教授 (00291500)
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Keywords | オリビン / 高圧相転移 / 隕石 |
Research Abstract |
本研究では,高圧高温条件で安定に存在しているオリビン(α相)を,高圧状態を保持しつつ冷却する事で,マルテンサイトメカニズムによってγ相が生成されうるのかという問題の検証すすめている. 本年度は以下の実験を行った. 1)実験に用いるオリビン試料の準備. 2)マルチアンビル型高圧発生装置を用いた高圧実験と電子顕微鏡を用いた回収試料の観察. 1)の試料の準備では,スカルン中に産出するオリビン(約(Mg0.8Fe0.2)2SiO4)が本研究に最適であると判断し,このオリビンを手に入れた.そして,1辺が1mmの立方体を作成し出発物質とした.立方体の作成においては,その各面がオリビンの(100)面,(010)面,(001)面と平行になる様に,X線装置を用いた単結晶方位決定を行った. 2)の高圧実験は以下の手順で行った.試料を11GPaまで加圧し,1400℃で2時間加熱した.その後,高圧実験装置の油圧を一定に保つことで圧力を11GPa保持したまま,温度を1000℃に冷却した.この状態を5時間保持し,その後,急冷して試料の回収を行った. 今回の実験条件では,オリビンのα相からγ相への転移は認められなかった.この原因として,以下の2つが考えられる.A)11GPa・1000℃の条件が,オリビンのα相の安定領域であった.B)11GPa・1000℃の条件はオリビンのγ相の安定領域であるが,1400℃から1000℃への冷却過程において圧力の減少が生じ,実験圧力が11GPaよりも低圧になった為にα相が安定した.A)に関しては,より低い温度まで冷却させることで,また,B)に関しては,冷却過程で油圧を増加させることによって,相転移を生じさせるように実験を改善する.
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