2004 Fiscal Year Annual Research Report
カンラン石の格子歪みによるコンドライト隕石の被衝撃圧の定量的評価
Project/Area Number |
16540440
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中牟田 義博 九州大学, 総合研究博物館, 助教授 (80128058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 智樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20260721)
桑原 義博 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (90281196)
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Keywords | カンラン石 / 格子歪み / 衝撃作用 / ガンドルフィカメラ / コンドライト隕石 |
Research Abstract |
1.Naryilco LL6コンドライト隕石のカンラン石の格子歪みの分析 Naryilco LL6コンドライト隕石は衝撃作用により破砕された破砕部と元の組織を残す非破砕部よりなっている。この破砕部と非破砕部についてその衝撃作用の効果の違いを明らかにするために、研磨薄片を作製し、EPMAによる化学分析後、ガンドルフィカメラを用いカンラン石の格子歪みを決定した。求められた格子歪みは、破砕物と非破砕部で最大格子歪みには違いが認められず、いずれも20GPa程度の衝撃を受けたことを示すが、破砕部では得られた格子歪みの最小値が非破砕部に比べて小さくなっており、破砕部では破砕に伴う摩擦熱によるアニーリング効果があったことを示している。また、カンラン石の化学組成は、非破砕部にくらべ破砕部で鉄に富んでおり、この組成変化も、破砕に伴う熱の影響による鉄の拡散によってもたらされたと解釈された。 2.カンラン石単結晶の衝撃実験によるカンラン石の格子歪みに対する衝撃継続時間の効果 カンラン石単結晶の衝撃実験により衝撃圧とカンラン石の格子歪みには比例関係が存在することが分かっている。しかしこの関係は、実際の隕石を用いて求められたカンラン石の格子歪みと衝撃圧の関係に比べその傾きが大きく異なっており、その一因として、実際の隕石では、衝撃実験にくらべ、衝撃継続時間が長いことが考えられる。今回、以前の実験より衝撃継続時間が長い衝撃実験を行い、カンラン石の格子歪みと衝撃圧の関係を求めたところ、カンラン石の格子歪みは衝撃継続時間が長くなるとともに大きくなり、カンラン石の格子歪みと衝撃圧の比例関係を示す直線の傾きは、実際の隕石で求められたカンラン石の格子歪みと衝撃圧で得られた傾きへと収束していくことが分かった。
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Research Products
(1 results)