2004 Fiscal Year Annual Research Report
ケイ酸塩結晶及び融体の高温高圧下における構造と物性の計算機シミュレーション
Project/Area Number |
16540442
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
松井 正典 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (90125097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩谷 健治 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助手 (70237907)
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Keywords | ケイ酸塩結晶 / ケイ酸塩融体 / 高温高圧 / 計算機シミュレーション / 地球内部 |
Research Abstract |
CaO-MgO-Al_2O_3-SiO_2 (CMAS)系結晶及び融体は地殻及びマントルの最重要な構成成分である。我々は今回、これらCMAS系に属する種々結晶と融体について、それらの構造とT-P-V状態方程式を、分子動力学(MD)法と格子動力学(LD)法を組み合わせた計算機シミュレーションを用いて、詳細に求めることを試みた。 結晶のポテンシャルエネルギーを、クーロン項、ファンデァワールス引力項、反発項から成る二体間相互作用の和で表した。加えて、酸素イオンについては、結晶内における多体相互作用を取り扱うべくbreathing shell model (Matsui, 1998)を適用した。原子間ポテンシャルを、CMAS系に属する任意の化学組成の結晶と融体に適用するために、イオンの有効電荷について、q(Ca)=q(Mg)=2/3q(Al)=1/2q(Si)=-q(O)の制約を置いた。酸素イオンのbreathingを含む必要なエネルギーパラメータは、CMAS系の種々結晶と融体の実測の構造、体積と、それらの温度及び圧力依存の全てを精度良く再現するとの条件を用いて経験的に求めた。 単純な酸化物から種々複雑なケイ酸塩まで、取り扱った結晶と融体が極めて多様な配位様式、構造をとること、及び、求めた温度圧力範囲が極めて広範であるにも関わらず、かなりな高精度で、実測値とMD及びLDシミュレーションによる計算値が一致することを見出した。このことは、今回求められたポテンシャルの高い信頼性と適用性を示すものである。
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Research Products
(2 results)