2004 Fiscal Year Annual Research Report
火星隕石の希ガス同位体比測定に基づく火星と地球の脱ガスの対比研究
Project/Area Number |
16540444
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長尾 敬介 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40131619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角野 浩史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90332593)
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Keywords | 希ガス同位体 / 火星隕石 / シャーゴッタイト隕石 / ナクライト隕石 / Ar-Ar年代 / 中性子照射 / 宇宙線照射年代 / シャシニ隕石 |
Research Abstract |
惑星の大気及び内部における揮発性元素の分布は惑星の形成と分化過程を解明するうえで重要なものであるが、とりわけ希ガスの元素と同位体組成は脱ガス過程の解明の鍵となる。本研究では、地球について詳細に研究された大気形成モデルが地球型惑星である火星に適用できるか否かを、火星隕石に含まれる希ガス組成に基づいて検討する。今年度は、Yamato 980459(Shergottite)、Yamato 000749(Nakhlite)などを実体鏡下でハンドピックにより鉱物分離を行なった。また、新たに得られた火星隕石Sayh al Uhaymir 150の希ガス分析を行い、他のShergottiteと似た宇宙線照射年代や希ガス同位体組成を持つことを国際隕石学会(ブラジル)で発表した。さらに、火星隕石Shergottiteの段階加熱実験における低温で放出される、火星マントルの希ガスを代表するとされるChassigny隕石に似た希ガス組成が、地球における風化生成物に捕獲されている元素分別を受けた地球希ガスである可能性が高いことを、地球風化物を測定して確かめた。Ar-Ar年代測定とI-Xeシステムが存在するか否かを確認するための中性子照射は、東北大学金属材料研究所附属量子エネルギー材料科学国際研究センターの共同利用として、大洗にある原子力研究所の材料試験炉で行ったが、マシンタイムの調整がつかなかったため分析はこれから行う予定である。
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Research Products
(5 results)