2004 Fiscal Year Annual Research Report
高精度位相操作パルス磁場勾配電子スピン共鳴装置の試作
Project/Area Number |
16550003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大庭 裕範 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10176985)
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Keywords | 電子スピン共鳴 / パルス磁場勾配 / 位相操作 / 四重極コイル / パルスEPR |
Research Abstract |
本年度はパルス磁場発生装置の磁場発生コイルおよびコイルを駆動するための電流パルス発生器の設計および試作を行った. 1.パルス磁場勾配発生用四重極コイルの設計.効率よく均一な磁場勾配を発生する四重極コイルを設計した.コイルが発生する磁場の空間分布を計算する数値シミュレーションプログラムを作成し、コイルの大きさや形の最適化を行った. 2.磁場勾配発生用高速高電流パルス発生器の試作.コイルを駆動しパルス磁場を発生するための高速大電流の電源装置を設計し、試作した.パルス発生器単体の性能として10nsのスイッチングスピードを得ることができた.今年度の段階ではパルス電流は単極のみであり、正負のパルス磁場を発生するために来年度、さらに改良を加える予定である. 3.磁場勾配コイルの試作.最も重要なのがコイルの幾何学的な配置と,機械的な強度である.高磁場の中で電流のON/OFFを行うためコイルには強い力が働く.これらの条件を満たし,また,高速のスイッチングと強い磁場勾配を発生するために,1での設計に基づき5×5×10mmの大きさのコイルを作り、インダクタンスを検討した. 4.磁場勾配コイルの特性の評価.静的なコイルの特性を評価するために定常電流で発生磁場強度を測定し、シミュレーション結果と良い一致を得た。2で試作したパルス発生器でコイルを実際に駆動し、生成したパルス磁場を測定した結果、立ち上がり立下りは約30nsとなり、これはパルスEPR測定に十分な性能を得た.
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Research Products
(1 results)