2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属環状多核配置内に構築された巨大空孔の構造的ダイナミクスと機能性変換
Project/Area Number |
16550058
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安里 英治 琉球大学, 理学部, 助教授 (10222580)
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Keywords | 巨大環状錯体 / シッフ塩基環化反応 / ホスト-ゲスト化学 / ESI-massスペクトル / 単結晶X線構造解析 |
Research Abstract |
昨年度合成に成功した新規長鎖ジアミン1,17-Diamino-3,15-dimethy1-3,15-diazo-6,9,12-trioxaheptadecane(Me_2N_4O_3-ane)に加え、新たに合成した異なるスペーサー長からなる1,14-Diamino-3,12-dimethyl-3,12-diazo-6,9-dioxatetradecane(Me_2N_4O_2-ane)を用いて、巨大環状多核錯体の合成研究を進めた。これらジアミン誘導体は、2価の金属酢酸塩(例えばCo(II)、Zn(II)、etc)存在下で2,6-ジホルミル-4-メチルフェノール(DFMP)と当モルで反応し、結晶性のシッフ塩基環状錯体を与えることを確認した。X線構造解析による確認はできていないが、元素分析、ESI-massスペクトル、NMR測定等の結果より、いずれの錯体もbis(μ-phenoxo)bis(μ-acetato)架橋タイプの環状四核構造であり、当初期待したゲスト捕捉能を発揮するには環サイズが小さいことが判明した。 上述の一連のシッフ塩基環化反応では環状四核構造を与える傾向が強いが、ジアミンスペーサーの中央に位置するヘテロ原子が金属配位に関与すると、環状サイズが巨大化する傾向がある事を突き止め、スペーサー中央に配位性3級窒素を導入した1,11-Diamino-3,6,9-trimethyl-3,6,9-triazoundecane(Me_3N_5-ane)を用いて合成実験を進めた。しかしながら、3級窒素には溶媒中のプロトンが捕捉され金属配位が達成されず、結果として巨大環状化を妨げている事がわかった。塩基添加によるプロトン捕捉によりシップ塩基の開裂・再形成を経て環サイズが変化することを突き止めた。
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