2005 Fiscal Year Annual Research Report
超分子シクロデキストリン複合体センサーの設計と機能界面の構築
Project/Area Number |
16550066
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
早下 隆士 上智大学, 理工学部, 教授 (70183564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 明 上智大学, 理工学部, 助教授 (00119124)
橋本 剛 上智大学, 理工学部, 助手 (20333049)
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Keywords | 超分子 / 分子複合体 / シクロデキストリン / 化学センサー / 蛍光プローブ / アゾプローブ / 糖認識 / アルカリ金属イオン認識 |
Research Abstract |
本年度は,ビフェニルボロン酸型蛍光プローブ(BPB)とCyDの複合体を用いて,CyDのキラル骨格に誘起された糖の光学異性体の識別機能を明らかにした。BPBは,糖と結合すると中性条件では消光が起こるが,高pH側(pH9.3以上)で糖錯体の蛍光量子収率が増加し,発蛍光応答を示す。この発蛍光応答を利用して,BPB/CyD複合体のフラクトースに対するD/L識別機能の解析を行った。その結果,CyDがない場合,および空洞の小さなβ-CyDとの複合体では,D/L選択性が見られないのに対し,空洞の大きなγ-CyDとの複合体では,D(-)体に対する結合定数が大きく増加し,2倍近いD(-)体選択性が得られることを見出した。これはγ-CyDの水酸基との多点相互作用の結果と考えられる。またシクロデキストリン複合体の機能を活かすために安定なロタキサン型化学センサーの構築を試みた。カルボキシル基を有するビスクラウンエーテル型アゾプローブ(Bis-15C5-Azo)/γ-CyD複合体の末端をポリアリルアミンまたはアミノ化α-CyDに結合させたロタキサン型センサーを設計し,水中でのアルカリ金属イオン認識機能について検討を行った。得られたロタキサンは,透析膜およびSECにより精製した。ロタキサン型複合体センサーの水中でのアルカリ金属イオン応答挙動を調べた結果,UV-Vis吸収スペクトル変化において,有機溶媒中と同様のK^+イオン選択的な短波長シフトが見られた。また,誘起円二色性(ICD)スペクトルから,γ-CyD内での包接構造変化に基づいてK^+イオン選択的応答が350nm付近に現れることが分かった。ストッパーを持たない擬ロタキサン分子の挙動と比較すると応答感度は低いものの,ロタキサン骨格の改善により,一分子で機能できる,より優れた超分子複合体センサー開発の可能性を示すことができた。
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Research Products
(4 results)