2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子間相互作用における電気化学的モニタリングに関する研究
Project/Area Number |
16550068
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
菅原 一晴 群馬大学, 教育学部, 助教授 (30271753)
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Keywords | レクチン / キチン / フラビンアデニンジヌクレオチド / グルコースオキシダーゼ / ボルタンメトリー |
Research Abstract |
キチンはN-アセチルグルコサミンのβ1-4重合体からなり、レクチンの一つであるWGAと選択的に結合することが知られている。さらに、WGAはグルコースやグルコサミンを分子認識することが可能である。そのため、WGA-N-アセチルグルコサミン間結合によりWGA修飾キチン膜で被覆した電極を作成し、電極活性物質であるドウノマイシンでラベル化したグルコースのボルタンメトリー的挙動を評価した。WGAキチン膜被覆電極を用いての測定を行うと、WGAの濃度に依存してピーク電流値は減少した。ラベルであるドウノマイシンにおいて同様な測定を行ったところ、WGAの濃度の増加にともなう電流値の変化はほとんど見られなかった。従って、N-アセチルグルコサミン部位との結合によりWGAが修飾されることが明白となった。 電極活性物質でラベル化したフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)とアポ-グルコースオキシダーゼ(apo-GOD)との結合を使ったFADの均一アッセイを開発した。ドウノマイシンは、ボルタンメトリーで高感度に検出できるため、架橋剤によりFADと結合させた。ラベル化FADの電流値は、apo-GOD-ラベル化FAD間の結合により減少した。また、ラベル化FADとFADとのapo-GDDに対する競争反応は、ピーク電流値の増加をもたらす。それゆえ、FADはその反応に基づいて検出される。この方法を用いることでFADの検出が従来の数十倍向上した。さらに、FADの測定におけるリボフラビンやフラビンアデニンモノヌクレオチドの影響を先に述べた高選択的結合によって抑制することができた。
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Research Products
(2 results)