2004 Fiscal Year Annual Research Report
液液界面イオン移動の時間・空間制御による電位振動反応の精密化・定量化
Project/Area Number |
16550072
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 耕治 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 助教授 (00229303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 壯林 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 教授 (60161543)
吉田 裕美 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 助手 (40314306)
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Keywords | 液液界面 / リン脂質 / ランタニドイオン / イオン移動ボルタンメトリー / 界面張力 / 電位振動 / ビスアンモニウムイオン / Gemini型界面活性剤 |
Research Abstract |
1.液液界面におけるリン脂質稠密膜の形成過程の解析 振動を実現するために、液液界面イオン移動をほぼ完全に阻害するリン脂質稠密膜が形成する条件、形成過程の速度および律速段階を系統的に調査した。とくに、異種のリン脂質を混合することによる協同効果や不均一なリン脂質層の形成に注目した。ランタンイオンを含む水溶液とリン脂質を含む1,2-ジクロロエタンの界面において界面電位差を制御しながら、稠密膜の形成過程をイオン移動ボルタンメトリーおよび界面張力測定により評価した。 中性リン脂質であるホスファチジルコリン(PC)に酸性リン脂質であるホスファチジン酸(PA)を混合した。リン脂質膜が安定に存在する界面電位差領域(ΔE_<layer>)はPC:PAが1:2のとき最大となった。その条件でイオン移動の抑制も最大となった。界面張力-電位差曲線の測定より、ΔE_<layer>の電位差領域で界面張力の減少がみられ、稠密層形成とリン脂質の吸着が関係付けられた。 また、PA添加による協同効果は水相のpHが4を越えると失われることより、PAの荷電状態に基づいて協同効果の機構が説明された。ΔE_<layer>は電位振動の振幅に対応すると考えられる。pH3付近では、イオン移動電流の変化よりPCのドメイン形成の可能性が示唆された。 2.界面活性アルキルアンモニウムの液液界面吸着挙動の調査 陽イオン型界面吸着イオンによる振動発現の可能性を検討するために、1分子に2つのアンモニウムイオンを含むビスアンモニウムイオン(bis-A^<2+>)の液液界面分配・吸着挙動をイオン移動ボルタンメトリーにより調べた。とくに、長鎖アルキル基をもつ界面活性bis-A^<2+>(Gemini型界面活性剤)間移動エネルギー、吸着エネルギー、脱着エネルギーが、bis-A^<2+>の側鎖、スペーサー鎖の炭素数に特異的に依存することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)