2004 Fiscal Year Annual Research Report
逆ミセル吸着ナノ界面場の特性と新規な液体クロマトグラフ分離法の開発
Project/Area Number |
16550076
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 照文 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127703)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 聡 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50207338)
岡本 泰明 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40213988)
|
Keywords | 逆ミセル / 吸着 / シリカ / 界面 / 界面活性剤 / 液体クロマトグラフィー / 水晶振動子秤量法 / 顕微蛍光法 |
Research Abstract |
本研究では,シリカ表面に吸着させた逆ミセル(以下,これを吸着逆ミセルと称す)の界面場を液体クロマトグラフィー(LC)の固定相とする新規なLC分離法の開発をめざしている。平成16年度は基礎的研究を主体とし,シリカ表面への逆ミセルの吸着及び脱着挙動の解明と顕微蛍光法による吸着逆ミセル界面場の可視化を目的として,吸着ナノ界面場の設計や制御において考慮すべき主な因子に関して検討し,以下のような研究成果を得た。 1 水晶振動子秤量法(QCM)によるシリカ表面への逆ミセルの吸着挙動:QCM測定装置に用いる水晶発振子の片側の金電極表面にシリコン薄膜を蒸着させ,加熱することによってシリカ表面を作成し,その表面に吸着する逆ミセルによって生じる振動数変化を測定し,その吸着量を求めた。その結果から逆ミセルの吸着挙動に対して影響を及ぼす諸因子を明らかにした。 2 シリカゲルへの逆ミセルの吸着量及びその組成:カラムにつめたシリカゲルに吸着した逆ミセルの量と組成を決定するために,それを脱着させた後,クロマトグラフィーにより界面活性剤の対陰イオン濃度をマルチチャンネル検出器で定量した。またクーロメトリーによる水分測定を行った。これらの結果から,吸着逆ミセルの組成と吸着量対するシリカゲルの粒径や細孔径の大きさの影響,及び吸着平衡にあるバルク相中の逆ミセルの組成との相関性を明らかした。 3 石英板表面への逆ミセル吸着挙動の可視化:水溶性の蛍光色素であるフルオレセインをプローブとして内水相に分散させた逆ミセルをシリカ表面に吸着させ,顕微蛍光法を用いて,その表面に形成される逆ミセル相の観測に成功した。その結果から,吸着逆ミセルが有するナノ界面場の特性について考察した。 なお,上記1及び2に関する論文を現在投稿準備中である。
|
Research Products
(2 results)