2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16550080
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
肥後 盛秀 鹿児島大学, 工学部, 教授 (10128077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 俊史 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60253910)
満塩 勝 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70372802)
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Keywords | 金属薄膜の内部構造と表面形態 / エピタキシャル成長 / 単結晶薄膜 / 表面吸着種の状態分析と形態観察 / 表面プラズモン共鳴(SPR)現象 / 屈折率センター / 光ファイバー |
Research Abstract |
1、雲母基板上に各種温度で真空蒸着により作製したアルミニウム薄膜の内部構造と結晶状態を透過電子顕微鏡(TEM)と透過電子回折(TED)を用いて観察した結果、エピタキシャル温度は520℃であり、この温度以上において雲母上のアルミニウムは単結晶薄膜になることが分かった。また原子間力顕微鏡(AFM)による表面形態の観察により、その薄膜の単結晶粒子は粒界が開いて孤立した状態であることも明らかになった。 2、室温で作製したアルミニウム薄膜表面にアントラキノン-2-カルボン酸(AQ-2-COOH)をアセトン溶液から吸着させ、その析出状態と析出形態を非弾性電子トンネル分光法(IETS)、X線光電子分光法(XPS)、AFMを用いて研究した。その結果、 AQ-2-COOHは陰イオン状態で表面に単分子層として吸着させ、溶液の濃度が高くなると、マイクロメーターオーダーの中性粒子として析出することが明らかになった。金薄膜上での吸着状態はアルミニウムと似ていたが、銀と銅薄膜上では反応性が高く、マイクロメーターオーダーの陰イオンの粒子が存在した。 3、光ファイバーのコアの片面に金薄膜を蒸着した構造の屈折率センサーにおいて、光源として発光ダイオード(LED)を用い、これを光ファイバーに直接密着させることにより、レンズと光軸合わせ不要とした。また検出器としてフォトダイオード(PD)を用いることにより、装置の小型化とコストダウンを図った。各種LEDを用いた結果、その発光波長が短くなると応答曲線の最小値が低屈折率側へとシフトし、応答特性を制御できることが分かった。LEDは少ない消費電力で安定した強度が得られるため、測定精度はHe-Neレーザーを用いた場合よりも10倍程度向上した。各種蒸留酒のエタノール濃度の測定を行った結果、公称値と一致する値が得られ、実用性を示すことができた。光ファイバーの代わりにガラス棒を用いても同様のセンサー素子を作製することができた。
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Research Products
(4 results)