2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16550080
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
肥後 盛秀 鹿児島大学, 工学部, 教授 (10128077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉留 俊史 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60253910)
満塩 勝 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70372802)
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Keywords | 金属薄膜の内部構造と表面状態 / 金属二層薄膜界面の状態分布 / 表面吸着種の状態分布と形態観察 / 表面プラズモン共鳴(SPR)現象 / 屈折率センサー / 測定システムの高感度化 / エタノール選択膜 |
Research Abstract |
1、各種温度の雲母基板上に真空蒸着したチタン薄膜の内部構造と表面の形態及び状態をX線回折法(XRD)、原子間力顕微鏡(AFM)、X線光電子分光法(XPS)を用いて研究した。室温で作製したチタン薄膜は六方晶の微結晶状態であり、薄膜表面は直径約20nmの丸い粒子で構成され、基板湿度の上昇と共に結晶の配向性が良くなり結晶サイズが大きくなった。薄膜表面は約4nmのTiO_2であった。チタン薄膜上に蒸着した金、銀、銅の二層薄膜の形態観察と両金属界面の状態分析を行い、これらの金属薄膜とチタン薄膜との密着性及び界面における相互作用に関する知見を得た。 2、赤外反射吸収分光法(IRAS)とXPSを用いて、蒸着銅薄膜上に吸着させたテトラシアノキノジメタン(TCNQ)の吸着状態と表面との相互作用を研究した。蒸着銅薄膜表面はCu_2OでありTCNQは銅原子(Cu^+)から電子を受け取り陰イオン状態(TCNQ^-)で析出するが、酸素グロー放電によりCuOに酸化した銅薄膜上では銅原子(Cu^<2+>)から電子を受け取れず中性状態(TCNQ^0)で析出することを明らかにした。 3、光ファイバーのコアに蒸着した金薄膜における表面プラズモン共鳴(SPR)現象を利用する屈折率センサーシステムにおいて、出力の安定したHe-Neレーザーと受光感度の良いフォトダイオードを用い、入力抵抗が大きく分解能の良いADコンバータを用いて応答をコンピュータに取り込み、そのデータを統計処理することにより、検出限界において2桁の高感度化を達成した。 4、金薄膜の表面を水溶性の長鎖アルキルチオールとテフロンの二層構造の薄膜で被覆することにより、有機酸や糖を含む水溶液からエタノールを選択的に検出する薄膜を開発した。2種のテフロンと2種の溶剤(フロリナート)の組み合わせによる4種類の薄膜を検討した結果、応答が速く選択性の良い薄膜を調整した。
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Research Products
(1 results)